第6話

おねぇ「すいません、ちょっと一度失礼します。」


えっ?話が違う、安保条約の第1条がいとも簡単に破棄されてしまうのか、、

援軍は情報収集及び援護射撃を行った後に、いとも簡単に撤退していったわけである。


もう手が空いている女の子も見当たらない、張りぼての組織はいとも簡単に崩壊へ傾いた。


俺「歌、歌わないんですか?」


おば「私、歌は聞く専門なの。あなたの歌声、聞かせて」


もはやスナックに入ったことすら謎の状況だ、なぜスナックに行きたかったのか?

酒は飲まない、歌は歌わない、これでは別にスナックじゃなくても良かったのではないか?


と、ここで、罠に気付いてしまった。


そうだ、別にスナックに行かなくても良かったのだ、スナックに行きたいというのはあくまで僕に近づくための口実であり、僕が通りかかるまでの間に、ファーストコンタクトはどのように入ればスムーズなのかを考えていたかもしれない。


いや、もしかしたらこれが常とう手段で、今まで若いエキスを吸いとってきたのかもしれない。


あくまで彼女のミッションは僕の部屋に上がり込むことなのである。


現在の彼女の要求は部屋に泊まるということなのだ。


そう考えると、目の前で青森市で初めて入るスナックに少し戸惑ったような態度が、したたかに思えている。


おば「私、お酒飲まなくてもきっと料金は一緒なんでしょ?」


俺「そうだと思います」


おば「じゃあ、私の分まで飲んでちょうだい、一杯飲んで」


酔わせて、部屋に上がり混む気なのか?もはや僕のなかでおばは性獣化されていた。


そこに

ボーイ「失礼します!」

待ちに待った援軍が到着したのだった、また男性なのは幸運である、おばの興味をこっちに移す事が出来るかもしれない。


俺「おねぇさん、イケメンが来ましたよ!かおちっちゃいしモテそうですね!」


おば「、、犬みたいな顔してるし、肩幅があるから顔が小さく見えるだけだと思う」


どうやら、誰でも良いわけではないらしく擦り付け作戦は簡単に失敗してしまった。


おば「でも、あなたの顔しか見てなかったけど、貴方も肩幅あるわよね?」


俺「一応、ジムは行ってるんで」


おば「良い体してそうだよね」


不味い、話が生々しい。


ボーイは気転を利かして

「普段はスナックに行くんですか?」

などと会話を切り替えた。どうやら、事の顛末を知らされてるみたいだ。


ボーイは、EXILEにいそうな昔ヤンチャしてました!という見た目だが人懐っこく、ぐいぐいとおばに切り込んでいく。


息子と仲が良く息子とたまに地元のスナックに行く事や、五所川原市の名産や名所の事、太宰治についてなどおばは、饒舌に語っていた。


そして永遠かと思われた時間はボーイの「そろそろお時間ですが、、」

の一言で、お開きであることが告げられた。


僕はおばに考える時間を与えず


俺「チェックで!いくらですか?」


ボーイ「お一人、三千円です」

どうやらスタッフの飲み代もコミコミだったらしい、なかなかの優良店である。


ここで、沈黙を保っていたおばが口を開いた。


おば「私、車おいて来てるんだけど心配だから見てくる!一時間で戻るっていっちゃったから」


と立ち上がり


おば「絶対に戻ってくるから待ってて」


っといって、店を出ていってしまった。。。

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