第4話
こちらも、できれば出費は抑えたい、、
まぁ、スナックに行くのは100歩譲って良しとしよう。
問題なのは、お勘定は誰が払うのかということである。
残念ながら、おばにおごる金は持ち合わせていない。
しかも知らない土地で、得体の知らないおばと二人、、急に心細くなってきた。
仲間が欲しい、、
俺「あの、やっすいスナックで軽く歌を歌えるような場所にいきたいんですけど、、」
少しヤンチャっぽい地元の客引きのおにぃちゃんに声を掛けた。
おにぃ「スナックですか?」
おにぃちゃんは、俺とおばを交互にみた
俺「あ、、、、母が歌いたいらしくて、、」
とっさに出た嘘、しかしながら今の状況を正確に理解して貰えるほどの説得材料は持ち合わせていなかった。
ただ、僕の趣味では無いことだけはきちんと伝えるべきだったのだ。
おばは、ここでもしきりに「高いんでしょ、、」と独り言のように呟いている。
高かったら却下である。
部屋のみも却下である。
おばに残された選択肢は安っすいスナックで安い酒を煽り、コジャレた歌を歌って、楽しい気持ちで帰る事だけなのである。
結局、1セット3000円にまけてくれたニュークラ(関東のキャバ)を紹介され、おばと席をならべたのである。
相変わらず、自分から口を開かないおばである、こちらから話題を提供しなければ会話も進まない。
しかし共通の話題もなく、おばが住むという五所川原市の事や、家族のことなど、本当は対して知りたくもない会話に花を咲かせた。
やがて女の子が一人席についてくれた、ややポッチャリしているがハキハキした明るい子だった。
まずは飲み物を聞いてくる。
俺「じゃあ、ビールで」
おば「私はジンジャエール、、氷なしで」
女の子は、注文のドリンクを作るためにカウンターに行った
俺「お酒、飲まないんですね」
おば「私、車なの」
よくよく話を聞くと青森市から五所川原市までは車で一時間位との事だったが、現在の時刻は1:00位だ、ワンセット一時間としておばが家に帰れる時間は3時ということになる。
家の人は心配しないのだろうか?
おば「お酒飲むとドキドキしちゃって、、だからどっちにしても飲めないの、、、あ!でも部屋に泊めてくれるなら別だけどね♪」
俺「え?」
諦めていなかったのだ
こちらがどうフェードアウトするかを考えていたと同時に、おばもまたどう部屋に上がり込むかを考えていたのだった。
自分の浅はかさが嫌になった、しらない土地で次々と襲ってくるいまだかつて経験したことがないこの現状にすで限界であった。
しかし、よくよく考えてみると、、、
このババァ、言うことがドンドン、アクセルを上げてきている。
1'スナックにつれていって欲しい
2'部屋で飲んでもかまわない
3'部屋に泊まるのもok!
しかし、最初の要求は飲んでしまった、、
もしかしたら、おばの頭の中ではこの後のストーリーが出来ているのかもしれない、、、そう思うと、酔いもまわってきたせいか、なんだかおばの顔が女の顔になってきてる気がする。。うっとりと瞳をうるうるさせて見つめてくるのだ、、
この人、怖い!僕の感情は恐怖へと変わっていった。
俺「ちょっと、トイレに、、」
今のぼくにはこれが精一杯の抵抗なのだ、、考える時間が欲しい、、
トイレに入り考える。
色々な未来を想像した。
1'三十路ミサイルの販売員だった場合
2'僕の体が目当てだった場合
3'部屋に上がり込んで、サービス料を要求するつもりだった場合、、
だめだ、、ネガティブな考えしか出てこない、、
そして僕は、あることを決意してトイレをでたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます