第3話 僕が欲しかったもの
僕は篠崎泰澄(しのざきたいち)国立新帝都学園高等部の1年生だ!
僕には妹がいてそいつは真白(ましろ)
国立新帝都学園中等部3年生だ!
...だよな?
「おはよう、真白」
「あ、おはようお兄ちゃん」
さっきのイタズラは無かったことにするのね...
「今日はお兄ちゃんの入学式だね」
あ、そっかあ、そうだった。
「真白は進級式か」
「うん!」
「真白はかわいいな」
「え!?ど、どどどどうしたの急に!」
しまった!心の声が漏れた!
「さて、トイレトイレ~♪」
「あ、そこはスルーなのねお兄ちゃん」
.....トイレどこ?
「おう、おはよう泰澄」
「あら、おはよう泰澄」
この声が誰の声か、僕は知っている。
ひどく懐かしい声だ。
「おはよう父さん、母さん」
「朝ごはん、もう出来てるわよ」
「ほら食うぞ泰澄、座れ」
「お兄ちゃん、早く早く!」
何年ぶりだろうか、こうして家族全員で飯を食うのは。
「ああ、今行くよ」
昨日までの僕が考えもしなかった光景が今目の前に広がっている。
僕はただ嬉しかった。
~~~~~~~~~~~~~~~~
「お兄ちゃん行くよ!」
「ああ」
「お兄ちゃんの制服、似合ってるね」
「おう、かっこいいだろ?」
「うん...」
かっこいいと言えば僕の顔。
今朝起きて見てみたらなんかすごい少女漫画のイケメンみたいになってた。まじで。
体格も前世?の時と同じで筋肉質だ。
あれ?なんか引き締まってる?
妹はなんかすごい美少女だな。
ガラスのような瞳、艶のある肩まで伸びた綺麗な黒髪、ちょうど良い感じの胸、引き締まった腰、短いが清楚なスカート、スラッと伸びた足。そして、黒ニーソ!黒ニーソだべ!
ああ、黄金領域がまぶしいぜ!
「ここが学園正門か」
「そうだよ、お兄ちゃん」
煉瓦造りの門と校舎は何というか、立派だ。
「あ!おはようシロちゃん!」
「おはよう!みんな」
妹の友達かな?....なんかすごい見てくるんだが...
「あ!紹介するね、私のお兄ちゃんの泰澄だよ!」
「初めまして、真白の兄の篠崎泰澄です。
妹がいつもお世話になってます」
その後は緊張のあまり覚えていない。
その日は入学式と説明会で終わった。
ラアイン!
妹からメールが来た、正門で10分程待て。
という内容だった。
正門で待っているとめっちゃ女の子に話しかけられた。すごい緊張した。
「遅いな」
もう20分近く待っているが妹が来ない。
心配になったので迎えに行くことにした。
「ねえ~あんたのお兄ちゃん紹介してよ」
「いいでしょ」
「ねえ~」
妹がなんか年上っぽいのに絡まれてる。
「あ、あの先輩、兄を待たせてるので」
「え~良いじゃん」
「あんたのお兄ちゃんの連絡先くらい教えてよ」
「おーい、真白!」
「あ!お兄ちゃん!」
くっくっく、このモブ女どもよ。
僕のかわいいかわいい妹から離れろ。
「その人達は?」
「高等部の2年生、お兄ちゃんの先輩だよ」
お兄ちゃん必殺!恐怖の視線!
恐怖の視線とは戦争の時に会得した
おらてめぇぶっ〇ろすぞ!
と視線で訴える技だ!
こうかはばつぐんだ!
「ヒイッ」
「キャァァ!」
「イヤァァ!」
そこまで怖がられるとさすがに傷つく...
「お兄ちゃん顔めっちゃ怖いよ」
「え?どんな感じ?」
「人殺しましたって顔してるよ」
まあ、実際何百人か殺したけど
「とにかくありがとうね!お兄ちゃん!」
真白は太陽よりも眩しい笑顔を僕に向けて言った。
僕は、今度こそこの笑顔を守ると青空に向かって誓った。
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