---------------------- キ リ ト リ セ ン -----------------------



アンタには関係ないことでしょ。


そうやって揉め事に首を突っ込むのアンタの悪い癖よ。


だってそうでしょう。圭一の時だってそうだったじゃない。


え? それ、本気で言ってる? 自覚ないの?


重症だわ。病院行った方が良い。


やっぱりね。


やっぱり、あの時アンタ洗脳されてたのよ。


じゃなきゃ、あんなこと出来ないもんね。


え?


アンタが圭一を××した話よ。


嘘でしょ……?


アンタ、誰にもバレてないと思ってたの?


私の部屋だったんだよ。


まずもって私が気づかないわけないじゃん。


じゃあ、後片付け誰がやったと思ってんの?


…………。


信じらんない。


いや、まあ、そうね。


アンタの言うことも尤もだわ。


なんで今更それを言うのって思ってんでしょ。


いいじゃない、時効よ、時効。


法的な……、ってそんなことはどうでもいいじゃない。


私も魔が差したのよ。


あの時はそういう気分だったから。早すぎる更年期って言ったら理解してくれる?


アンタも知ってたでしょ。


あいつ、浮気してたの。


結婚する前から。ずっと。


同じ研究室の後輩だって。ねえ、ホント俗物。


だからアンタが××してくれた時は、ちょっとスカッとした。


…………。


え、ちょっと。


なにそれ、何のつもり?


ちょっと待って。やめて。


目、イっちゃってるって。


本気なの?


可笑しくない?


私はアンタのためにやってあげたのよ?


今まで隠してあげたのよ?


待って、待ってよ。


嘘でしょ?


ちょっ、やめて――――――――――。



---------------------- キ リ ト リ セ ン -----------------------





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る