第65話
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本文の
故に「Ladybird」と表記されるレディーとは、聖母マリアを意味して、産業革命を模したスチームパンクを表するに、これほど相応しい昆虫はないといえよう。
・つまりレディーバードは、ナミフルの故郷から飛来した。
・そして驚くなかれ、マシーンなのである。
・テクノロジーの無駄遣い。マッドサイエンティストの悪ふざけ。
・既存の通信インフラ不要で(使徒に気づかれず)秘密裏に遠隔操作可能。
・無線送電に頼らず、燃料で(ピンクタワーコイン一枚で約二年)駆動する。
一体、誰がなんの目的でこんな物を作ったのか?? そして、レディーバードから発せられる謎の声の主の正体とは!? ストーリー最大の謎が今、解き明かされるっ!
――因みにブルーバードと紛らわしいので、以降はテントウ虫と表記する――
「
「学校なんてつまんない」
テントウ虫は床に転がり手足をばたばたさせた。
「こらっ! 壊れる!」
「いいわよ。出来損ないのおもちゃが壊れたって! それよりこんなかわいい彼女をほったらかにして~!!!」
ばたばたが激しくなり、独楽のようにクルクルと回り出した。
「仕方ない。俺は自立しなくちゃならないんだ」
「宝探しなんてぇ~、私が誘っても行こうとしなかったくせにぃぃぃ!」
「いや――興味がなかったわけじゃない。ちょっとしたトラウマが――だけどここに来て改めて思った。――実感があったことを覚えてはいるが実感はそこにない――。過去のお宝を探すことはとても大切で意義のあるエートスなんだ」
ナミフルの言葉を受けて、テントウ虫の回転が激しさを増す。
「小難しいっ! 小難しいっ! 小難しいっ! ――
「俺は昔からこんなだろ……」
「ねぇ。セレンちゃんはどうしても海中都市に帰らないといけないの?」
「ああ。人には存在すべき場所がある」
「スチームパンクでいいじゃん。お庭で花を育てて、アル中のPちゃんの相手して、カラオケして、スープの冷めない距離にいる私たち夫婦と一緒に楽しく暮らせば」
「付き合ってはいるが、婚約をした覚えはない。それとPおじはアル中じゃない」
「なによぅそのつめたいぃいいかたぁ~~~家出の手伝いまでさせたくせにぃぃぃ」
黒い水玉は聖母マリアの7つの喜びと7つの悲しみ。その七つ星が怪しく光る。
「落ち着け。ビームでメゾンを破壊するつもりか。君が卒業するまでには片がつく。パーティーは手仕舞い。母さんは本来のエートスへ。俺は俺のエートスを探す」
「Pちゃんと結婚すればいいのにぃ~。あんなに仲がいいんだから」
「ちっちゃい頃はそんな風になるのかなぁと、ちょっと思ってた……けど違った」
ナミフルは床に転がったテントウ虫を優しく拾いあげる。
「暫くはトレジャーハントを頑張る。感情さえも売買されてる碌でなしの楽園地帯であらゆる価値は……マザーAIが等価交換を繰り返しランニングコストを稼ぎながら永久に人類のプラットフォームとして存在し続ける。科学の発達には資本トリガーは必要なくなった。だけど俺たちの科学への求心力は不変で今も科学は発展している」
「よっ! ジュニアちゃんっ! マイダーリン。1ミリも意味がわからないわ」
母と戦えばどちらが勝つか? 剣の舞い。答えは簡単。
教授の知性と対峙すれば、どちらがどちらを狩るのか?
アルフェスおじさんを出し抜くことができるだろうか?
Pおじってアル中なの?
猫は激しく強く
「ちょっとぉ。また意識を未来に飛ばしてる? いい加減にしてよ。それよりこれをベースに外観をペーパー・プレイン・バタフライにするのはどうかしら?」
「燃料を積む容量がない」
「馬鹿ねダーリン。羽に太陽光を透過させたりその辺を飛んでるノラ電波を食べて、エネルギー補給すればいいだけよ。でもお日様は散っちゃったわね。楽園地帯名物の日光を体感したかったのにぃぃ。ともかくテクノロジーの立て付け構造が独自だからブルーバードにも関知不能の取って置きの技術なのよ? Pちゃんも頑張ったけど、パパもママも全面協力したんだから大事にしてよね。最後に好きって言ってっ!」
「俺も小難しいけれど、そっちもなに言ってるのかサッパリわからない」
「お互い足りない部分を求め合うから恋なの。磁石のSとN。神秘の力。天地創造」
「……なにを確かめたい?」
「……決まってるでしょ?」
テントウ虫はナミフルを見つめて問い掛けた。
あなたのエートスとは?
レジスタンスだと、ナミフルは静かに答えた。
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