第6話 序章06 アレクシアは5歳です 転生しました

転生してから暫く経ち、ようやく普通に走り回れるようになり部屋では文字を覚える勉強や、礼儀作法などを教え込まれたりと、色々忙しくはなりましたけど外で遊ぶ日課は欠かせません。

ボール遊びとかも童心に帰ってメイド達と楽しんでいます。

そして今日は、アルバータお姉様がメイドさんを連れて顔を出してくれました。


「こんにちはお姉様、良い天気ですねどうされたのですか?」

「ええ、お稽古事の息抜きに来たの、少し疲れちゃった」

「お嬢様が意地を張ってダンスのレッスンを止めないからですよ」

「いいじゃない、先生が覚えが悪いとか言うからちょっと頑張ってみただけなのに先に音を上げる先生が悪いわ」

「出来るのに初めからきちんとやらないからですよ」


横で会話を聞いているとへーダンスか貴族らしいなと思いつつ、アルバータお姉様意地っ張りな所が見れて面白い。

それにメイドさんもきちんとツッコミをいれてるし。


「アルバータお姉様は意地っ張り屋さんみたいですね」

「さすがお嬢様良い見識でございます」

「バッキー何を言うの、私は素直な物分かりのいい女の子よ、アレクシア勘違いをしてはダメよ」

「うんそうだね(棒読み)」

「判った?」


グリグリグリ


「わ、分りましたお姉様」

「よろしい」


こめかみを両側から折り曲げた指角でグリグリと攻撃されたので大人しく従う事にした。

腰に手を当てのけぞってるよおっかないわ。

そして暫くしたらアルバータに花冠を作った事が無いか尋ねられた。


「アルバータお姉様花冠って何でしょうか?」

「ちょっとジェイダ、お嬢様に作り方とか教えていないのですか?」

「き、教官殿すみません私の不手際でまだ教えておりません」


先程からジェイダが直立不動の格好をしていたけれど、お仕置きから帰って来てからのジェイダはふてぶてしさは抜けていたね。

そしてバッキーさんの前では何だか萎縮してる。

教官とか言ってるから主従関係かもね。


「あらやだ、教官職は止めたから今は貴方と同じ同僚よ気安く呼んでいいのよ」

「め、滅相もございません」

「アルバータお姉様、作り方を教えてくださいませんか?」


何となく押し問答が続きそうなので、切り出してみるとそのまま話に乗ってくれたので作れる場所へ移動し制作することにした。

前世に無い経験だけに緊張する。

しかし、制作しながらのたわいない話をするのが目的だったみたいだ。

大きくなると色々な習い事があって中々大変との愚痴を聞かされる。

先ずは受けよねそして落ち着いた所で私も質問をした。


「お姉様、お聞きしたいのですが、私か原因で兄や姉とは仲が悪いのですか?」

「うーん、まあ近付きにくくなったのはあるけど、一番の原因は私と

貴方の一番上のお兄さんとの婚約が決まっていたのがあの娘に知られてからかな」


ははーん、従妹同士の婚約はともかく兄を取られた嫉妬という奴かジャクリーン姉さんもこどもだね。


「ジャクリーンお姉様はブラコンですね」

「あら、そんな言葉良く知ってるわね、ますます気に入ったわ。

それからギクシャクしだしてかな本館へ顔を出さなくなったのは」

「どうにもなりませんね」

「そうね、後あの子は大人に対して媚びたり顔色を窺ったりするのが上手だから

気を付ける事ね、牙の抜けた今のあなたはトロそうだから」


優しくもさりげなく私をデスるアルバータお姉様には痺れます。

そのまま話の流れで私について尋ねてみることにしたが少し不安化も。


「私に対しての態度はどんな感じだったのですか?」

「んーそうね、あなたが部屋で取られてた態度がその物と言っていいのかも。

貴方のお母様譲りの桃色の髪とか、何やら色々とムカつかせてるみたいよ」

「お母様が嫌いなんです?」

「余り見せないけど、奥方様が長兄様に強く愛情を注がれてたのが原因かもね」


うーん打つ手なしか、感情的な物みたいだから関係修復の取っ掛かりもない

みたいなので、予想通り少し絶望した。

そして話題は次兄のマーティンに移った。


「マーティンについては少し粗暴な性格で何を考えてるかは分からないわね、特に私には関心がないみたい」


成程、長兄と婚約か長兄はどんな人なんだろうね?、

それにマーティン兄さんが謎だ、私の顔を凝視していたし興味を持たれたのかな?

良く分からないわ。

相槌を打ちながら花の茎を苦戦しながら織り込んでゆく、難しい。


「そうでしたか、それにしてもジャクリーン姉さんもお子様なのですね」

「アレクシアにも分かっちゃうか、だから仲良くなるのは暫くは無理そうね」

「所で婚約者である私の長兄ってどんな方なんです?」

「そうね、優しくて我慢強くて人の話をよく聞いてくれる良い方ね、申し分ないかもね」

「おめでとうございます」

「でもね、何となくだけど義務感で接してくれているだけで、本心が別にあるというのかな、時間が立てば婚約も解消される気がするわ」



その時のアルバータお姉様の表情は、何か諦めきってる表情で不思議な感じだった。

そんな事が分かっちゃうものなのかな?


「アルバータお嬢様そんな事はありませんよ、先代様が御認めになられません」

「それはそうなんだけど、御当主様は私を立てる必要が無い程アルフォード家を

掌握成されてるそうですし、アルフォード家の利益を考えると他家からのお嫁さんの方が…」


「アルバータお嬢様は耳年増で御座いますね、ですがご愛情を注がれておられるエドモンド様を信じていらっしゃらないのですか!」

「ご、ごめんなさいバッキー、少し言い過ぎました」


会話に割り込んで来たお姉様のメイドのバッキーさんが苦言を伝えると冷静なアルバータお姉様が珍しく取り乱している、バッキーさんは強キャラ?

そうして場の雰囲気が暗くなって、無言のまま制作作業が進むと

花冠が完成した、いい出来だ。


「あら、初めてにしてはいい出来ねアレクシア」

「いえお姉様のお蔭です」

「世辞は言わないの、ほら」


アルバータお姉様に花冠をかぶせられて、私の不格好な花冠をかぶせてこの場はお開きとなった。

アルバータお姉様は館まで被ってゆくのは恥ずかしいと固辞されたので、私だけ被ってゆくこととなったが、家の事情がそれなりに分かって有意義だったなと感じた、またアルバータお姉様と会えるのが楽しみです。

そして館までの帰り道でジェイダに尋ねてみることにした。


「ねえ、ジェイダ、バッキーさんって怖い人なの?」

「うーんそうですね、私がメイドの教育を受けた時の指導役でして、それはもう色々色々指導を厳しく受けまして・・・・・・・・・」

「ルーシーも?」

「あれは又別の形でも、可愛がられてましたから私には無理」

「別の形って何?」

「大きくなったら尋ねてみてくださいとしかいえないね、すいません、いえませんね」

「ふーん、まあいいやジェイダ言葉使い無理しなくてもいいよ」

「い、いえそういうわけには」


そんな感じで萎縮するジェイダを横目に色々な謎を秘めた令嬢生活が進むのでした。

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