第7話 序章07 アレクシアは5歳です 転生しました

改めて部屋を眺めてみると、あれから直ぐに大きな姿見が用意されてたが、

何か殺風景な気がするので対策を考えてみる…

そうだ、私位の女の子は大きなぬいぐるみを愛でるモノのような気がするから

一度ルーシーに頼んでみるのもいいかもしれないね、取り敢えず実行して見る事にした。


「ねえルーシーお願いがあるのだけれど」

「何がして欲しいのですかアレクシア様?」

「あのね、大きなぬいぐるみが欲しいかなと思って、何か寂しいなと」


ルーシーの表情が驚きとともにすぐに柔和な表情に戻った、意外なのか?


「そうですね、以前のお嬢様は首を引きちぎったりと悪さをされましたが、鏡と同じで今ならそんなことはなされませんよね?」

「そんな事はしませんよ」

「解りました一度問い合わせてみますね」


そうして、私が以前の様な事はしないと言質を取るとメイド長に購入してくれるのかを問い合わせてくれることになった。

それともう一つの事柄を聞いて見る事にした。


「あのですね寂しいという話の続きなのですけど、お部屋に鉢植えを置いて見たいなと思うのはだめですか?」


部屋に鉢植えを置いておくと気持ちが癒されるとか、お部屋の空気もきれいになる気がするからというのが、記憶にあるけどどうなんだろうね?


「お花を活けるのではダメですか?」

「うーん、切花は可哀そうな気がしてちょっとね」

「お優しいですね、いつも庭園で眺められていますから解ります」


別段好きになったわけでもなく、転生して余裕が出来ただけなのですが。そして習い事をしている間に、ルーシーが問い合わせに行ってくれて

縫いぐるみは後日に、鉢植えは庭師と相談して下さいという話だった。

ちなみに新しい庭師さんとの仲は良好です。

そして昼食を済ませると、午後は習い事が無いのでお庭で鉢植えの相談を行う事になりました。


「そうですか、お部屋で鉢植えを観賞されたいとは良いご趣味ですね」

「ありがとう、バートンさんそれで特に綺麗な花とかではなく薬草になる花とか

何か面白そうなお花は無いでしょうか?」

「それは通なチョイスですな、腕の振るいどころです」

「アレクシア様、美しさとか可憐さとかをお求めは無いのですね」

「そうですね、何か別の用途あるお花とかカッコイイじゃない」

「そんな物でしょうか?」


首をかしげながも鉢植えの選定のために庭師のバートンと共に花壇を回って何種類か選んでもらうと一鉢だけ今日持ってゆくことになった。

一応謎記憶とも照らし合わせて薬草系の花と確認した。

そしてルーシーとバートンさんが何やら打ち合わせていると、下腹部にぶるっと来た尿意だ!


「ねえルーシー、おしっこしたくなっちゃったの」

「今からお館まで行きますか?」

「むむり、あそこでしてくる」

「はしたないですよ!」


後ろでルーシーの声が聞こえるが倉庫の横が陰になってるので慌ててパンツを下ろし用を足す。


『ちよろちょろーーシャーー』


フー生き返ると安心しきった時だった。


「ワーーー!!!」

「キャーーーー!!!!」


突然後ろから両肩を掴まれると後ろへ引っぱられると足腰の踏ん切りがつかず背中から倒れた。


『シャーーーーーーー』


「やだーーーーーーーー」


慌てて後ろに倒れたのにおしっこは男みたいには途中で止まらないから顔にまで浴びてしまう。

そんな私をジーっと覗き込む姿が見えた。


「キャーーーーー馬鹿マーティンこっち見んなああああ」

「なにが馬鹿マーティンだ僕を呼び捨てにするな!!、だが割れ目からおしっことは不思議だな」

「ばか、ばかあ!、死んじまえ!!!あっち行け――――」


涙と怒りが同時に込みあがると共に突然突風が周辺に吹き始めた。


「な、なんだよこれ」


マーティンは慌てて周囲を見渡している。

だが私は恥ずかしさから、今の状況は分かるが感情が受け付けないため冷静な判断が出来ない。


「ア、アレクシアお嬢様大丈夫ですか!!」


慌ててルーシーがこの場に駆け込むや否や、すぐにマーティンが逃走していくと風もすぐに収まっていった。

そしてルーシーに起こしてもらうとガチ泣きをしてしまった。

恥ずかしさと情けなさに涙が止まらなかった私を、ルーシーはきちんと抱きしめてくれた。

そして泣き止み事情を話すとメイド長に苦情を入れてくれる事となり、鉢植えを一鉢持ってトボトボと館へ歩いて行った。

バートンさんは今の私に何も言わなかったよ大人だ。

そしてお風呂に入り体を綺麗にしてもらうと部屋で鉢植えを眺めていた。

一体なんて事しやがるんだあの兄はと思い出すだけで怒りが込みあがって来ると、

突然クロフォードお父様とマーティンが部屋に入ってきた。


「アレクシアよルーシーの報告だとマーティンに不埒な事をされたと有るがどうなんだ?」

「父さんぼくはやってないです、あいつが勝手にコケて僕のせいにしただけです」

「黙ってろ!、それでどうなんだ」

「私がお小水をしていたら大声と共に押し倒して…止まらない姿をじっと見てるんです!!!」


そう涙目でお父様に告発しているとお父様はこめかみを押さえて苦悶している。


「今回は、アレクシアお前が屋外なんかで用を足しているから、近づいて来たマーティンに気付いて慌てて倒れたに過ぎない、そんな女としての自覚が足らないお前が悪い、だから事を荒立てるな」

「そんな、マーティンが押し倒して私のアソコを凝視してたのですよ!!」

「黙らんか」


バシーーーーン


「キャーーーー」



DoooooOON!!


お父様に強烈な張り手を喰らうと壁にまでえ吹き飛ばされてそのまま倒れ込む。

そしてマーティンにも強烈な張り手をかますと私の近づいて来た。


「口の中が派手に切れてるな、施術師を呼ぶから治療を受けろ。

お前の評判は底なんだから考えて行動しろ、後兄の事を呼び捨てにするないいな」


そして私の髪の毛を掴んで起き上がらせる、痛いです!



「わ、分りましたお父様」



そこでお父様が手を放すと力なく私は倒れ落ちた。


「い、いかんついやり過ぎてしまったようだ(小声)、?パーネル草の鉢植え?趣味も解らん」


そして鉢植えを凝視し呟くとマーティンを連れて部屋から出て行った所で、私はルーシーに運ばれてベットに横たわれた。


「御免なさいアレクシア様、お助けできなくて」

「いいよもう、ルーシーの立場は分かってるから理不尽な事言わない」

「お優しいですね、お嬢様」


そう手を握られると直ぐ濡らしたタオルで貼れた頬を押さえてじっとしていると、

怪しい人ローブ姿のが現れた。

アルフォード家の施術師という人だそうだ、ヒールという魔術で治療するそうだ。


「お嬢様私施術師のハルムと申します、力を抜いてください」



ベットの上で上向き横たわると、腫れた患部に手を添え何が呪文を唱えると患部が少し暖かくなるが、徐々に冷めてゆく感覚が5分程続いた。


「お嬢様、もう大丈夫ですよ、後一時間ほど横になってもらえれば大丈夫です、

頬の腫れは残りませんから御安心を。

所でお嬢様は魔力持ちやもしれませんね」

「どうしてですか?」

「お身体から魔力に近い感じが発せられておりましたのでそんな気が、まあお気になさらないでください、只の独り言ですハハハハ」


そう告げると施術師ハルムさんは部屋から去っていった。

治療魔術を目のあたりにして興奮が止まりません、凄い異世界!

じゃなかった、お父様は私の言う事を聞いてくれないし、思いっ切り打たれるし色々やりづらそう…

マーティンは嫌らしい目付きでアソコを見てるしなんか嫌だな。

ああ、男と女の子共ながらの羞恥心の違いなのかな…妙に恥い。

あれやこれやと考えると眠りに落ちていった。





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「クロードよアレクシアを随分厳しく躾けとるそうだな」

「父上ご存知でしたか、相変わらずのアレでしたのでつい」

「今あの娘に施してる教育はワシの方でさせるから暫く距離を置かないか?

ワシによこせとは言わんが、館から通わせたりして育てるのも又情緒教育に良い一興だろうて、それとアレクシアに手を上げ過ぎだ」

「いえ、あの顔を見るとつい手が出てしまいまして…」

「ならワシの所に通わせてお前達から少しだけ距離を置かせてもらうぞいいな」

「どうぞご随意に」


そうして、アレクシアの教育はエドモンド達に委ねられる事となった。




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「思いっ切り打たれた…あいつよりましだけれど」

「でも、アレクシアと話す切っ掛けが欲しかっただけなのにな」

「何かあの情景が忘れられない…アレクシアもよく見れば可愛いかったしな」

「あ、どうしちゃったんだ僕は…」


そこに何かをこじらせた少年が一人いるのであった。



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