第07話 すべてが終わったら


たとえ嫌われようとも先輩には嘘は付きたくない。それに、僕の問題は終わっていないのだから、これからそれと向き合わなくてはいけない、それはきっと先輩にも迷惑を掛けるそんな気がするから。


きちんと話しておかなければ・・・


先輩に元親友と初恋の彼女のことを話した。好きになった彼女が元親友と付き合い出したこと。そのふたりと一緒の時間を過ごさなければならなかったこと。たまたま彼女とふたりになったときに、キスしてしまったこと。僕がふたりから逃げ出してしまったこと。初恋の彼女が、僕の罪で、少し変わってしまったこと。


惹かれている先輩にこんなこと話すのはとても辛い。でも、これは僕が犯した罪。僕に何が与えられようとも受け入れなければいけないそんな出来事。


先輩はあまり聞きたくないような表情だ。僕の醜い物を見せているわけだから。先輩ごめん・・・ごめんなさい・・・僕はそう謝りながら、僕の罪について一通り話し終えた。


先輩は、ふぅとひとつため息をつき、僕に言葉を放つ。


「それが付き合ってる人に近づきたくない原因なのね。でも、まずは彼女のことをどうにかしないとでしょうね。彼女が苦しんでいるのなら、犯したあなたが、手を貸さないと。ね。元親友くんについては、彼女と話して、どうするのか考えないとかな?」


そう僕がしなければならないこと。元親友のこと、彼女のこと。逃げたことでできた歪みをなくすこと。


「先輩、そのとおりです。僕が願ったことで、犯した罪で苦しませてしまいました。それを解決しなければ・・・僕は前に進めません。」


「わかったわ。待ってる・・・あと、私はあなたを嫌ったりしてないわ。間違いは誰にでもあるもの。でも、逃げないで。やってしまったことにしっかりと向き合って。そして・・・」


先輩はいきなり立ち上がり、僕にキスをした。


「私も思い余って、罪を犯してしまったわ。私のファーストキス。でも、私は、逃げずに、あなたの言葉を待ってるから、全てが終わったら、あなたの答えを聞かせて頂戴?」




「わかりました。こんな僕ですが・・・すべてが終わったらきっと。」

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