第六話 先生は絶対的な存在だ

 廊下での出来事は、私は見逃さなかった。職員室に戻って来た木村先生に話しかけた。

「木村先生。生徒と仲良くするおつもりですか?」

「土屋先生、それはどういう意味ですか?」

 案の定はぐらかしてきた。でもそれも想定内。

「いいですよ。その程度で揺らぐ私たちではありませんからね」

 木村先生はポカーンとしている。でもそれで、いい。

 先生が生徒と組む。それは学校にとって悪いこと。普通ならそう考えるだろう。

 しかし劉葉も木村先生も気が付いていない。先生が生徒の味方になれば、先生はとても頼りになる存在、絶対的な存在になることを。

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