2.降下 より
【主な装備】
○M4A1:合衆国で開発されたカービン(※1)。単発(セミ・オート)(※)とフル・オートの切り替え式。A1型では三点バースト(※)ではなく、フル・オート(※)を採用。装備を後付けできる拡張レールを備える。作中の装備はSOPMod2(※)をベースに各人がアレンジしたもの。
※ カービン:突撃銃(※)の全長をさらに切り詰め、狭所での取り回しに特化させたもの。
※ SOPMod2:M4シリーズ用拡張装備キット(SOPMod:Special Operations Peculiar Modification)の第2世代。後継のSOPMod3は開発中だが難航している。主人公達は発光体(ライトやレーザ・サイト)は装着していない(次回解説)。
※ 突撃銃(アサルト・ライフル):自動小銃(ライフル)に連射機構を備えたもの。取り回しのため、一般に自動小銃より全長を切り詰めている。
※ 単発(セミ・オート):引き鉄を引くごとに1発のみ弾丸を撃つ機構。命中精度を上げられるため、熟練兵はこれで当てにいく。オートは「(弾薬の)自動装填」の意味。
※ フル・オート:引き鉄を引いている限り、弾丸を連射し続ける機構。弾幕を張るのに使われる。熟練兵はこのモードでも弾数を選んで射撃を止める。
※ 三点バースト:引き鉄を引くごとに3発連射する機構。フル・オートでは新兵がガク引きして残弾を使い切るリスクが高いために採用。連射機能は敵に狙いを付けさせないための弾幕を張るのに有用とされる。
○消音器:別名〝サイレンサ(Scilencer)〟。発砲音を減衰させるが、同時に弾速を減殺する。つまりは威力と射程距離を減殺することで隠密性を得る装備。発砲音の要因は、
(1)発射火薬の破裂音
(2)超音速で飛翔する弾丸の衝撃波
の2つであるため、ただ防音を施すだけでは消音の用を成さない。よって消音器は弾丸自体の速度を亜音速まで落とす。ただし弾速は威力と射程距離、および射撃精度に直接影響するため、狙撃には不利に働く。
○M84:閃光と爆音で相手を怯ませる非殺傷手榴弾。ヒトを含む動物は本能的に突発現象を注視するので、予め警戒していないと2~3秒程度注意を引かれてしまう。
○暗視装置:受動(パッシヴ)式の、微光暗視(スターライト・スコープ、Starlight Scope)と熱線暗視(サーマル・イメージャ)の複合装置。自ら光や電磁波を発することなく、よって発見されにくい装備。
作中で使用するのはAN/PSQ-20、微光暗視(スターライト・スコープ)と熱線映像(サーマル・イメージャ)の複合装備。単眼鏡で、ヘルメットに固定して使用する。
可視光と赤外線をデジタル処理で増幅する。過度の光量には増幅処理を施さず、よって閃光で破損することはない。
【支援装備】
○MV-22Bオスプレイ:合衆国開発の垂直離着陸機(VTOL)。
ヘリコプタの柔軟な運用と、小型輸送機の巡航速度ならびに航続距離の『いいとこ取り』を実現する機体。
左右両翼端にターボシャフト・エンジンを備え(プロペラ・ロータ推進)、これを前方~上方へ回転させる(ティルト・ロータ)ことで推進力の向きを変える。
冗長性をもたせる目的で、片側のエンジンが停止しても(片肺※)両翼のロータを駆動できるよう、駆動軸を主翼内に内蔵している。
片側のロータが止まった状態(片肺)でも通常の飛行は不可能ではないが、高度なバランスを要求する垂直離着陸は不可能になる。この場合でも滑走路を用いた通常離着陸は可能。
※ 片肺:片側のエンジンやロータが停止した状態。
○衛星通信機:人工衛星を中継に使う通信装置。周波数3~75GHz程度のマイクロ波を使用する。
【作戦用語解説】(兵力展開)
戦闘の予想される現地において兵力を展開するに当たっては、常に迅速を旨とする。よって今回の主力である歩兵の展開は、MV-22Bよりロープを用いた降下をもって行う。
○降下技術
・懸垂降下(ラペリング):ザイルとカラビナを使い、摩擦を調整しながら減速力を得る降下法。安全度は比較的高いが、着地後にカラビナを外さなければ離脱できないので、場面を選ぶ。
・ファスト・ロープ降下:太いロープを手足で挟み、その摩擦だけで減速力を得る降下法。着地直後から行動に移れるのが利点だが、転落の危険度は比較的高くなる。
【ゲリラの装備】
○AK-47:通称・カラシニコフ突撃銃。ロシア開発の傑作銃。作動の確実性と堅牢さ、製造・整備の容易さと相まって広く普及している。
○曳光弾:弾道を可視化するため、発火性物質を仕込んだ弾丸。発射とともに発火性物質が燃焼し、光の尾を曳いて飛翔する。ただし全弾ではなく、通常弾4発に対し曳光弾1発の割合で混成して使用することが多い。AK-47でよく用いられるバリウム塩は緑色の光跡を残す。これに対して主人公側の勢力はストロンチウム塩を使用し、これは明るい赤の光跡を曳くが、主人公達は隠密性を重視して曳光弾は使用しない。
○RPG-7:擲弾発射装置。弾頭の最大直径よりも発射器本体の方が細く、軽量で携帯性に優れる。対装甲弾頭として、主に成形炸薬弾(※)を使用する。
※ 成形炸薬:爆発で発生する熱と爆圧を一点に集中させるよう、計算の元に『成形』された炸薬(※)。
※ 炸薬:弾頭が命中した際に爆発するよう搭載された火薬。これに対して、弾頭を撃ち出すための火薬は〝発射薬〟と呼ぶ。
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