最終日(前編) 告白③
そう言えたなら・・・・・・。
「あ、あのさ・・・・・・!」
そう口にした瞬間あの光景がフラッシュバックする。
夢に見た、那智の怯えた顔。私には、そんな顔しかさせられない。
幾度となく考えた、私が気持ちを告げた時の予想。もし、今拒絶されてしまったら・・・・・・!
「ん?どうかした?」
那智が心配して私の顔を覗き込む。傷心中の友達に気を遣わせるなんて、私はなんてダメな人間なんだろう、相談役として役に立てないどころか気を使わせるなんて最低だ、スカートを握りしめて精一杯普通を装って言った。
「・・・・・・友達にクラス来てって誘われたから行ってくるね」
「そっか、いってらっしゃい。楽しんできてね」
「ありがとう」
そう言い残して、私はその場から逃げ出した。やっぱり、言えない。私はまだ那智に嫌われたくない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます