最終日(中編) 決心①
こういう時一人にして欲しいはず、一人で思いきり泣きたいはず、なんて言い訳している自分に気付いて嫌になる。ああ言って、あの場を離れた手前戻ることはできないけれど、当然行く予定もないので途方に暮れていた。そして、気が付けば私は二組の前に立っていた。ルカは当然忙しくしているだろう。お化け屋敷なので中を覗くことすらままならない。一人になれる場所を探して、私は中庭に来ていた。
「青さん!」
私を呼ぶ声がして振り返るとそこには血塗れの白衣を着たハタケが立っていた。
「なに、サボり?」
意地悪く尋ねると
「客引き。青さんは?」
と質問で返されてしまった。こんなこと、軽々しく口にできない。しばらく黙っていると、状況を察したのかハタケが話し始めた。内容は二組の文化祭準備のことがほとんどだった。ルカが俺を道連れにしたとか、血糊のかけすぎで何回もやり直した、とかそんな感じのくだらないこと。そんないつも通りのハタケに救われた。
ハタケなら大丈夫かもしれない、そう思った。
「ねえ、同性が好きなのおかしいと思う?」
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