3日目後半 夏の可惜夜②
落ち着いてメッセージを打てるところに移動して自分の居場所を送るとすぐに既読になり
【そっちに向かうから待ってて】
というメッセージが届いた。
何分か待つと、那智と同じような服装の人が見えたので手を振って駆け寄ると、向こうも私に気づいたようで此方に向かってきた。
那智が両手を広げていたので私は懐に飛び込む形になった。
「良かった・・・・・・。ごめんね」
「こちらこそごめん」
「よし、行こうか」
そう言うと、那智の手が私の手に重なり指と指がからまり、強く握られた。予想外の出来事に私の頭は事態を呑み込むことができなかったようでフリーズしてしまった。動揺を隠せない頭を頑張って動かしつつ、大人しく手を引かれてついて行った。
意識はどうしても繋がれた右手に向いてしまっていた。汗っかきなことに加えてこの気温。いくら半袖を着ているととはいっても、手汗が気になって仕方ない。
今までも何度か女友達も手を繋いだことはあったけれど、ここまで気にしたことはなかった。
どうしてこんなに気になるのだろう・・・・・・。
考え始めたら止まらなくなってしまいそうで、普通に振る舞えなくなってしまいそうで、高鳴った心音に気付かないふりをした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます