きっと彼女は彼女なりに懸命にそして賢明に生きているのだけれど、それは本心からなのか、それともそういうモノを演じているだけなのか。見えるようで見えない「彼女」の姿を正視しようとするのはすこしこわい。けれど、目が離せなかった。
自分もこれなのではないか、いやこれは作者が自分を見て書いたのではないかと暗い被害妄想にとらわれてしまうような、負のパワーが満ちています。これまでの作品にも、こういうカラーが垣間見えることがありましたが、今回は特に全振りしてきたという感じがあり、破壊力が恐ろしいほどです。自分の参加作品を書き終える前に読むべきではなかった。自己肯定感が地に落ちて泥にまみれています。がんばります。