2番目の私
senri、
2番目の私
「好きです、付き合ってください」
そう言った私に彼は理解不能な返事をしてきた。
「2番目でもいいですか?」
一瞬わけが分からず「は?」と返してしまう
「君と付き合うことは出来る、でも、君は僕の1番好きな人には成れない。それでもいいですか?」
正直、彼の言っていることはわけが分からない。
1番好きになれないのに付き合ってもいい?ならお前に1番好きな人がいるということか!
そう怒鳴りたくなる感情を抑える。
「なら、貴方には好きな人がいるのですか?」
「うん、いるよ。でも、僕は彼女を幸せには出来ないから、だから彼女とは付き合えない。」
だから2番目か、いくら私が彼を想ったところで、私は彼の中で2番目で、彼が私を1番に想ってくれることは無い。
なら付き合う意味などあるのだろうか?
振られたぐらいじゃこの恋を諦めるつもりはなかった。
でも、これはあまりにも酷いじゃないか、私のことを馬鹿にしているのか。
2番目でもい続ける覚悟があるなら付き合ってもいいだと?
ふざけるな!
抑えきれなくなった怒りが爆発して、私の口は止まらなくなる。
「私のことをバカにしないで!1番好きな人を幸せに出来ないから私と付き合ってもいい??そんなこと言われるならこっちから願い下げよ!アンタのことなんて好きになった私が恥ずかしいっ」
肺の中の息を全て吐き出しきり、ギリギリで言葉が止まった。
「ごめん、別にそんなつもりじゃないんだ。君を1番大切な人にする自信はある。こんな僕なんかを想ってくれる人がいてくれてるって教えてくれた君を想うことはできる。でも、僕だって誰かを好きになったっていいじゃないか、例えその好きな人が恋人じゃなくても、幸せに出来ないと知ったとしても、この好きだって想いは、無くしたらダメな気がするんだ。」
彼が私を馬鹿にしていないのはわかった。
そして、彼の想いを大切にする姿により好きだという感情が芽生え始める。
いつの間にか私は2番目でもいいと考えてしまうようになっていた。
例え彼の2番目に好きな人でも、私のこの想いは本物だから、私が好きだと思って入ればいいのだ。
彼を想うことが私の幸せなのだから。
「わかった、2番目でもいいだから私と付き合ってください。」
2番目の私 senri、 @1000kyuri
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