名成家リリー【前編】
【778プロ】
〜昼休憩〜
リリー「はじめまして。名成家リリーよ。778プロダクションの社長の娘でラスト小学生。小学生だからってナメないでよね」
スファル「わぁ…お人形さんみたいで可愛い……!」
聖「小学生にしてはかなりしっかりしているわね。それにしても社長の娘ねぇ…」
花音「リリーちゃんかぁ…小学生なのに、私よりちゃんとしてて凄い…!」
リリー「当然よ。パパの仕事姿をずっと近くで見ていたもの。それに書類をまとめたり、パパの仕事の手伝いは昔からやっていたし」
花音「小学生でお父様のお手伝いなんて…凄いです…!」
リリー「…ま、まあね!社長の娘なんだから、このくらいできて当たり前なのよ」
スファル「えへ…小学生のアイドルさんが増えて嬉しいな…」
聖「私は振り回されるだけだし、もう懲り懲りよ」
スファル「でも…聖さん、いつも楽しそう……わたし、聖さんの楽しそうな顔、うれしいな…」
花音「ふふふっ。確かに、何だかんだで楽しそうだよね」
聖「はぁ?別に楽しくもなんともないわよ…変な勘違いはよして頂戴」
リリー「あぁ、確かここには小学生のアイドルが私以外に4人いるみたいね。
虹橋みのり、優雅スファル、佐薙美音、福重よすが…。…というか、私は別に貴方を困らせるようなことはするつもりはないけれど?する必要もないことだし」
聖「あぁ?癇に障る言い方ね。小学生風情が、この私に生意気な口調で接するのはやめておくことね」
リリー「はぁ?貴方こそ、その上から目線でオウジョサマ張りのイタい発言はやめたらどうかしら」
聖「ははっ、貴方も言うじゃないの。ええ、好きにすればいいわ、のちに後悔することになるだけよ」
花音「わ、わっ…!だ、だめです!喧嘩はやめてくださいっ!」
リリー「喧嘩?私はただ思った事を言っただけよ」
聖「そうよ、喧嘩なんかじゃないわ」
花音「はわわわ……バチバチしてるよぉ…」
スファル「あ…!美音ちゃんだぁ。こんにちは」
美音「あっ、スファルちゃんだあ!こんにちはーっ!それに聖おねぇさんに花音おねぇさんも!あと……誰〜?はじめましてかなぁ?」
リリー「はじめまして。新アイドルの七成家リリーよ。貴方は佐薙美音さんよね。これからよろしく頼むわ」
美音「リリーちゃん!よろしくお願いします!…あれ?なんであたちの名前知ってるの?」
リリー「私のパパはここの社長だからよ。ここのアイドルについては全て把握しているわ」
美音「社長さんの娘なんだ!すごーい…!……あれ?もしかしてリリーちゃんって大人…?」
リリー「いいえ、小学6年生よ。ま、大人と間違えても無理はないけど」
聖「一言余計なのよね、この小娘は」
美音「えーっ!小学生なの!?!?しっかりしててすごい!」
スファル「美音ちゃん、さっきからすごいしか言ってない……」
美音「えへへ」
リリー「私、他のアイドル達にも挨拶に回らなきゃならないから。それじゃあね」
美音「あっ!まってまってリリーちゃん!」
リリー「…?何よ?」
美音「これからね、スファルちゃんとみのりちゃんとあたちで鬼ごっこする予定なんだ!リリーちゃんもどうかな?あと、聖おねぇさんと花音おねぇさんも!」
リリー「…!」
花音「え?私まで、いいの…?」
聖「嫌よ」
美音「えーっ!なんでーっ!?」
聖「うるさいから」
美音「うるさくしないからぁ…お願い、聖おねぇさん」
スファル「私、聖さんと一緒に遊びたいな…。お願い、だめ……?」
聖「……………はぁ…。流石に、ここまで子供にお願いされて断ることは出来ないわ。…今回だけよ。」
美音&スファル「やったぁ!」
花音「じゃあ、私も一緒に行かせてもらうね」
美音「うん!ありがとうっ!リリーちゃんはどう?」
リリー「わ、私は…いい」
美音「えー!なんでー?」
リリー「私は貴方達とは違って忙しいの」
聖「別に挨拶に行くくらいいつでもできるじゃない。せっかく誘ってもらっているんだから、素直に受け入れたらどう?」
リリー「…………貴方だって最初は断っていたじゃないの。とにかく、私は行かない」
スファル「リリーちゃん…?」
リリー「じゃあね」
美音「あっ…行っちゃった……。…嫌われちゃったのかな…」
花音「ううん、そんなことないと思うよ。まだ初対面…えっと、初めましての関係だし、どうお話したらいいのか分からないんだと思う…」
美音「そうなのかなあ…」
聖「ほら、グズグズしてないで早く行くわよ。時間がなくなるわ」
スファル「そうだね…中庭で、みのりちゃんが待ってるかも…」
美音「…うん!行こっか!」
〜数十分後〜
美音「ただいまー!あーっ、楽しかったぁ!また遊ぼうね!」
花音「もちろんっ!楽しかったね!」
聖「気が向いたらね」
スファル「あれ、みのりちゃんは?」
花音「みのりちゃんは昼休憩のすぐ後にぱっぱのレッスンに行ったよ」
スファル「そっかあ…大変だね…」
美音「リリーちゃん、どこにいるのかなあ?」
聖「叫んで呼んでみれば?」
花音「えっ!?そ、それはリリーちゃん恥ずかしいと思いますけど…!?」
聖「えぇ、だからよ。聞いていれば恥ずかしくて早く出てくるでしょう」
花音「で、でも…普通に探した方がいいと思います…」
美音「ちょっと叫んでみるね!すぅ………リリーちゃーーーーんっ!!!!どこーーーーっ!?!?」
花音「わぁ?!ほんとに叫んじゃった…」
スファル「……………何もないね…?」
美音「リリーちゃーーーーんっ!!!!」
リリー「ちょ、ちょっと!?!?何よ!?優子達に挨拶してたら私の名前を呼ぶ声が響いてビックリしたじゃない!」
美音「あっ、いた!」
リリー「何よ、何か用?」
美音「えへへっ、じゃじゃーん!みてみて、これ!!黄色いキレイな花が中庭に咲いてたからとってきたの!リリーちゃんにぴったりだなって思って!」
リリー「そうなの、ありがとう。じゃあ私は戻るわね」
聖「ちょっと、もう少し何か無いの?せっかく貴方の為に取ってきてくれたのよ?」
リリー「……別に、頼んでないわ」
聖「貴方ねぇ…!!」
花音「聖さん、落ち着いて下さい…!!」
美音「あのね、今日はリリーちゃん忙しそうだったから一緒に遊べなくて残念だったけど、また今度遊ぼうね!約束だよ!!」
スファル「美音ちゃん……」
リリー「…そうね」
美音「このお花もリリーちゃんにあげる!」
リリー「……ありがとう」
美音「えへへっ、やっぱりお花、リリーちゃんに合ってるね!リリーちゃん可愛いから、早くアイドルのお洋服を着て歌ってるとこ見たいなあ〜!楽しみ」
リリー「…………そう」
美音「ユニットも一緒に組めたらいいなあ〜!リリーちゃんとのユニット、ぜったい楽しいもんっ!」
リリー「………ねえ、美音」
美音「ん?なにー?」
リリー「どうして、そんなに私なんかに構うの?」
美音「かまう…?」
リリー「どうして私に、そんなに話しかけるの」
美音「だって、同じ小学生のアイドルだもんっ!おそろい!だからリリーちゃんと仲良くしたいの!」
リリー「私を、嫌な奴だと思わないの」
美音「いやなやつ…?なんでー?」
リリー「なんでって…こっちが聞いてるんじゃない」
花音「み、美音ちゃん、リリーちゃん……喧嘩は…」
リリー「喧嘩じゃないわよ。気になることを聞いてるだけ」
聖「貴方、もう少し柔らかく話しなさいよ」
リリー「…っ」
美音「そうだ!リリーちゃん、明日も事務所にくるー?」
リリー「ええ……いく、けれど…」
美音「じゃあ、明日のお昼にあそぼう!」
リリー「……ごめんなさい。明日も無理なの」
美音「え!なんで?」
リリー「……なんでって…。………無理なものは無理なの!!」
美音「えっ…?」
スファル「り、リリーちゃん…!あのね、美音ちゃんは事務所に入ったばっかりのリリーちゃんの事を思って誘ってるんだよ……?」
リリー「頼んでないわよ、そんなこと…!だいたい、あれだけ断ってるのに……ちょっとは考えなさいよ!!!私は…私は独りがいいの!!!私は他人を不幸にすることしかできないの…!!だからもう、お願いだから私に構わないで!!!」
美音「あ…。うう…ご、ごめんね……。ごめんなさい…っ」
リリー「あっ……。……その、ごめんなさい……!」
〜リリーはどこかへ走って行ってしまった〜
スファル「美音ちゃん、大丈夫…?」
美音「ぐすっ……うん……大丈夫…っ」
花音「リリーちゃん、何かあったのかな…」
聖「意味深な事を言っていたわね。…確かに少し心配だわ」
花音「私、追いかけてきますね…!」
聖「えっ、花音!?」
〜花音がリリーを追いかけていった〜
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