実來モカ

【778プロ】


モカ「こんばんはー。実來モカです。よろしくお願いしますー」



霊子「あれ……実來モカさんって、あの某ニュース番組のお天気お姉さんの……?」


モカ「おー、なんだ。私のことを知っているのか。嬉しいなー」


未鈴「…でもなんか、テレビとは雰囲気が違うよね?」


めめ「うん、喋り方とかもテレビとは似ても似つかないよね」


モカ「んー。よく言われるが、私はお天気お姉さんをしてた正真正銘の実來モカだぞ?」


夜瑠「………ねぇ…私、知らない……有名…なの…?」


霊子「うん…。結構有名…だよ。夜瑠ちゃんは、普段…ニュース、見てる…?」


夜瑠「あっ……だからか………私…ニュースとか、見ないから…」


モカ「む。ニュースを見ないのか?」


夜瑠「え……はい…。あ……ご、ごめんなさい……」


モカ「ふむ。まぁ最近はSNSで情報を採取できるから、無理もないな」


めめ「わー……」


モカ「ん、どうした。ピンクのお団子ちゃん」


めめ「えっ、あ!い、いや〜その……テレビの時の実來さんとはイメージと違ったというか…!!あ、あと!私は旭川めめです。よろしくお願いします!」


モカ「あー、知っているよ。私が入所してから、プロデューサー君から名簿のようなものを貰ったからな。ある程度のアイドルの名は覚えているよ。…うむ。テレビとイメージと違う、か。まぁアレは仕事だからなあ」


未鈴「テレビの前だから別の皮を被っている、みたいな…?」


モカ「まあそんな感じだ。芸能界の大人とはそういうものだよ。」


霊子「オンオフの切り替えが…きちんと出来る、大人だぁ…かっこいいね……」


モカ「テレビの時のような知的さが欠けていてがっかりしたか?」


めめ「い、いえ!むしろ親しみやすそうな方で良かったというか…」


夜瑠「あ、わかる……元お天気お姉さんで、デキる大人っていう肩書きだけで……ちょっと近づき難い感じ、するもんね……」


未鈴「確かに。見た目も大人っぽい知的な女性って感じだしね」


モカ「ふふ、そうか。それなら良かったよ」


霊子「ということは……もう、お天気お姉さんって…辞めたんですか…?」


モカ「うむ、そうだ。お天気お姉さんの実來モカから、アイドルとしての実來モカに変わったわけだ」


めめ「んー…どうして、お天気お姉さんからアイドルに転職しようと思ったんですか?お天気お姉さんとしても、かなり知名度あったじゃないですか」


モカ「うーん……どうしてかな。同じような毎日に飽き飽きしていたからじゃないか?」


未鈴「飽き…?」


モカ「うむ。毎日朝早くに起きて、天気を分析して割り出して予測して、ニュースで天気予報を伝えて。毎日毎日同じことの繰り返し。刺激がないんだよ、こういう仕事はな」


夜瑠「なるほど…。アイドルは、いろんなレッスンをしたり……いろんな曲を…歌って、踊って………いろんな番組にも出るから……毎日違う刺激が受けられる、ってことかな……」


モカ「そういうことだ。たったそれだけのことだよ」


めめ「そうなんですね。…そういえば、恵美さんもOLからアイドルへ転職したそうですけど、実來さんと似たような理由だった気がします!」


未鈴「確か、プレッシャーに耐えられなくなって辞めたんだったよね」


霊子「恵美さんも……デキる大人、だからね…ふふ……」


モカ「まぁ私についてはそんなところだ。…そうだ。君たちもレッスンで疲れているだろう」


未鈴「えっ?唐突ですね…まぁ、疲れてますけど…」


モカ「良い場所を教えてやろう。さ、私の車に乗れ」


めめ「?」



【ゲームセンター】


モカ「到着だ」


めめ「……ゲームセンター?」


霊子「実來さんは…ここで疲れを、癒やしてるんですね……!」


未鈴「ゲームセンターと言っても、なんかスポーツ系のゲームが多いね」


モカ「うむ。私はいつもこれでストレスを発散している!」


夜瑠「えっ……これは、バッティングゲーム…?」


霊子「わぁ…なんか大人っぽいなぁ……」


めめ「大人っぽいの…かなぁ…?」


未鈴「というかバッティングってもっと疲れそうなんだけど…」


モカ「ふふ。まあ見ていてくれよ。私はほぼ毎日ここでストレス発散がてら鍛えていたんだ」


夜瑠「そうなんですね……凄いんだろうなぁ…」


霊子「ふふ……構え、かっこいい……」


めめ「あっ!球がくる!」


モカ「…ふんっ!」


めめ「……あれ?外した」


未鈴「た、たまたまでしょ…」


モカ「………ふんっ!!」


めめ「……また外れた」


モカ「ふんっ!……ふんっ!」



【数分後】


モカ「ふぅ………。どうだ?凄かっただろう」


未鈴「いや一球も当たってなかったですけど!?!?」


霊子「でも…構えと振りはかっこよかった…」


めめ「あはは…確かにね」


夜瑠「で、でも……これで実來さんの…普段の疲れを癒せて、ストレス発散になったなら……いいんじゃ、ないかな……」


モカ「さて、次はあのダンスのゲームをやろう」


めめ「得意なんですか…?」


モカ「ダンスは好きだよ」


未鈴(得意とは言わないんだ…)


モカ「さてと。それでは私の素晴らしいダンスを見ていてくれ」


〜曲が流れ出す〜


モカ「ほっ、ふっ!…はっ!」


霊子「おぉ〜……………?」


めめ「あれ、あんまり手本と合ってない気が…」


モカ「ふっ……ほいっ…!」


未鈴「ゴクリ…」


夜瑠「………あ、そろそろ終わる…」


モカ「ほっ…と!………っはぁ。終わったか………ふぅ…。流石にバッティングの後にダンスはキツいな」


未鈴「は、判定は…?」


《モニターにFと表示される》


めめ「下手なんかーいっ!」


モカ「ふっ…」


未鈴「しかもなんでちょっとドヤ顔なの…?」


モカ「お前達も何かしてみたらどうだ?日頃のストレスが吹っ飛ぶぞー。それにお前達はアイドルなのだから、ダンスのゲームはもってこいではないか?」


霊子「確かに……!」


夜瑠「ダンスのレッスンをしながら……ストレス発散もできる……いいんじゃ、ない…かな……?」


めめ「うん、いいかも!未鈴ちゃんもやるよねっ?」


未鈴「えっ?あ、あぁ…うん!みんながやるなら、私もやるよ」


モカ「うむうむ。でも、遊び過ぎで疲れるのではないぞ。元も子もなくなるからなー。では、皆でゲームを楽しもうではないか。」


みんな「おーっ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る