扇真紅子

【778プロ】


紅子「わっちは新しゅう入った扇真紅子と申します。よろしゅうおたのもうします」



彼方「ほぉぉ…なるほど〜。花魁系アイドルといったところですか。プロデューサーも考えたねぇ〜」


楓花「ふわぁ………んー……そうだね……というかぁ……和風アイドルが増えたね〜……良かったねぇ、蘭ちゃ〜ん……仲間が増えたよ…」


蘭「ん。あぁ……嬉しいのは嬉しいんだが、年上の人ばかりで肩身が狭いというか…」


彼方「そーかな?紅子さんはまだ分からないけどー、京子さんとかはそんなのいちいち気にしないと思うけどなー」


楓花「たしかにー……」


紅子「ふふっ、どうも〜。お初にお目にかかりんす。これからよろしゅうなぁ」


彼方「わっ!紅子さんだぁ。こちらこそよろしくお願いします〜っ」


楓花「んー…よろしくおねがいしま〜す……」


蘭「よ、よろしくお願いします」


紅子「ん?あんたが噂の剣道が得意な人どすか?」


蘭「えっ。どうして知ってるんですか?」


紅子「さっき別で挨拶をしてときに、京子はんから聞いたんどす」


蘭「あー…そうなんですね。えっと、よろしくお願いします」


彼方「んー……紅子さんってなんだか不思議な口調してますね」


紅子「えっ!?」


楓花「それなー…、なんか“んす”とか“どす”とか〜……混ざってるよねー」


蘭「廓詞と京都弁だな。確かに今の時代に廓詞を使う人初めて見たな」


紅子「お、おお、おかしいでありん……すか……???やっぱり変、かな…」


彼方「んーん、それはそれでなんかエモいからいいと思いまーす」


紅子「え、エモ………???えもい、とはなんのことでぁ……すか?」


楓花「あはは、紅子さん普通に喋っていいんですよーぉ…逆に変になっちゃってます……」


紅子「あ、あぁ…かんにんな」


彼方「おおー、エモいエモい〜」


紅子「な、なぁ蘭はん?エモいとはいったい何なんどすか?」


蘭「えっ。あー…エモいって言うのは、えっと……彼方の口癖で、尊い…?やばい?凄い?とか、んー……いろんな意味が込められてる…?」


楓花「エモいとは、エモーショを略したものに形容詞化する接尾語、“い”をつけたもので、感情が動かされたときに使う言葉……です……ふわぁ…」


蘭「何だそのネットで調べた説明文から抜き取ったような説明は」


彼方「へー…そうだったんだぁ」


蘭「知らずに使ってたのか??」


紅子「なるほどなぁ。わっちにもまだまだ分からんことがぎょうさんあるんやなぁ」


楓花「わっちだってー……、あはは、すこれるねー」


紅子「す、すこ…?」


蘭「すこれる、っていうのは、好きになれるって事です」


紅子「なるほど……」


蘭「てかお前たちわざと分からないような言葉を使ってるだろ?」


楓花「ひぇー、ごめんなさい〜…」


沙菜「ったくなんなんだよあのプレイヤー!舐めプしやがって。僕の事舐めてんのか!?」


彼方「うわー……めっちゃ地団駄踏みながらドスドス歩いてる…ゲームの事でなんかあったやつだ、あれ」


沙菜「ア゛ァッ!?………って、彼方たちじゃん。どしたの?」


紅子「あっ。こんばんは。挨拶がまだどしたなぁ。わっちは新しゅう入ったアイドルの扇真紅子どす。よろしゅう」


沙菜「え?あ、あぁ、なんか新しくアイドルが数人入ったって言ってたね。何人か挨拶に来たや。…んえーっと、僕は氷室沙菜。よろしくねー」


彼方「沙菜ちゃん、なんかめちゃくちゃ怒ってたけど何かあったの?」


沙菜「あー、僕がやってるオンラインゲームでちょっとね……」


彼方「ふーん」


楓花「あっ……いい事思いついたぁ」


蘭「ん、なんだ?」


楓花「沙菜ちゃん、紅子さんにネット用語について教えてあげなよー…」


沙菜「え?なんで?」


楓花「なんかねー、紅子さん、ネット用語についてぜんっぜんわかんないんだってさぁ……だからー」


沙菜「んー…ネット用語ならみいなさんとかの方が詳しいと思うけどなぁ」


蘭「…………確かにな」


彼方「口を開けばネット用語だもんねー」


沙菜「ま、めんどくさいけど…僕でいいなら構わないよ」


紅子「おお、そらありがたいどす」



沙菜「はい!それじゃーネット用語講座を始めるよーぅ」


紅子「はーい。よろしゅう♪」


蘭「私達もいるのか?これ」


彼方「まあまあ、楽しそーだからいいじゃんいいじゃん☆」


楓花(ホワイトボード……勝手に使っていいのかな……)


沙菜「まずはググる!これはどういう意味でしょう!はい彼方ちゃん!」


彼方「えっ!?手挙げてない…」


沙菜「つべこべ言わずさっさと答え〜!」


彼方「うっ……え、えっと、Go○gleで調べる」


沙菜「正解!」


紅子「なるほど…」


沙菜「んじゃ次はノシ!これはなんだ!はい蘭さん!」


蘭「え、あー……ノシ?うーん……すまない、私もよくわからない」


沙菜「よく見て!なんかの振りに見えない?」


蘭「ん………??あぁ!手を振っているように見えるな」


沙菜「正解!手を振るときに使う言葉です!」


紅子「本当だ!すごいどすなぁ…!」


沙菜「次は微レ存!はい楓花ちゃん!!」


楓花「"微粒子レベルで存在している"の略で、限りなくゼロに等しい事を意味する言葉……だねー…」


沙菜「手本のような回答だねー。正解!」



【数分後】


沙菜「パッと思い浮かぶのはこのくらいかなー。はい、んじゃ僕は帰るね。まぁゲーセンだけど」


彼方「え!ゲーセンいきたい!」


沙菜「え。いやでもゲームだよ?できる?」


彼方「やりたいやりたい!みんなで行こ!」


楓花「ん、私もいくー……」


紅子「わっちもみんなと仲良うしたいさかい、行かせてほしいでありんす」


蘭「みんなが行くなら…私も行きたいな」


沙菜「えぇー……。……はぁ。ま、たまにはいいか。分かったよぅ。僕の邪魔をしないならついてきてもいいよ」


彼方「やったー!みんな、いこいこ〜っ!」

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