第25話:ロックオン
離陸して数時間。北大西洋を飛んでいる最中、機内に警報が鳴る。
レイ「どうした?」
軍人A「何かあったみたいだな、操縦室を見てきてくれ。」
レイは操縦室へ。
パイロット「所属不明のジェット機がこの機の真後ろにつけてロックオンしている。警告の通信が入った。トシローを渡さなければこの輸送機を落とすと。今軍に緊急連絡を入れたとこだ。出撃準備をしてくれ。攻撃許可が降りたら動く。」
レイ「タイガ!」
大声でタイガを呼ぶ。
タイガ「戦闘か?」
レイ「多分。でも空の上でどうすれば…」
タイヤの無いバイクを指差し、
軍人A「攻撃許可が降りたら、このスカイライダーを使ってくれ。我々は司令室への連絡とトシローの警護を続ける。」
レイ「運転した事ないよ。」
軍人B「私が遠隔で輸送機内から操縦する。無線で指示してくれ。」
レイ「わかった。タイガ、行こう!」
スカイライダーに二人乗りする。
トシロー「俺も連れてけ。」
レイ「何言ってんだ?相手の要求に応えろと?」
トシロー「仲間のいない俺を誰が助けに来る?ウエポンズを捕まえてこれないなら俺だけでも連れ戻す。それも出来なきゃ口封じで飛行機ごとって事だ。バカだった…」
軍人A「後ろの機はさっき言ってた貴族の手先だって言うのか?」
タイガ「可能性は高いな。ただ、お前の事を檻から出す程信用できないだろ。」
トシロー「小僧、空の上で役立つ特殊能力なのか?」
レイ「…」
タイガ「あんな飛行機俺が切ってやる。」
トシロー「輸送機を守るだけならそれもいいだろう、しかしあのジェットを誰が仕向けたかの証拠は大西洋に沈む。俺が証人として説明しても信用しないだろ。WAZの輸送機を攻撃しようとしている貴族が誰なのかわからなくていいのか?」
タイガ「策があるのか?」
トシロー「ライフルで後ろのジェット機を打ってくれ。その弾に小さくなった俺が入る。小さいまま操縦席までたどり着いたら、あとはパイロットを倒して終わりだ。」
レイ「お前、意外と考えてるな。」
レイは関心する。
タイガ「お前がジェット機を乗っ取って逃げる可能性もある。スカイライダーに乗り、ジェット機をいつでも斬れるよう待機させてもらう。」
トシロー「構わぬ。うまくいったら恩赦を検討してくれと軍につたえてくれ。」
軍人A「よし、作戦を司令室に伝えてくる。」
パイロット「司令室から許可が降りた。」
タイガ「視界の悪い雲の中に向かってくれ。そこで作戦を開始しよう。」
レイ「信じるからな、トシロー。」
トシロー「別にお前らの為にやるんじゃないわ。」
輸送機は近くの大きな積乱雲の中に突っ込む。
視界は悪く、ほとんど何も見えないほど。
機内放送「今だ、腹のハッチを開ける。すぐに気付かれない様にスカイライダーで下降してくれ。」
軍人B「了解、レイ、タイガ、行くぞ。」
2人は頷き、スカイライダーにまたがり輸送機の外へ。
気付かれる事なく一度急下降したスカイライダーは上昇しジェット機の真下につける。
輸送機パイロット「後方のジェット機、トシロー=ゴウダを渡す準備は整った。今から後方ハッチを開く。」
引きつける為に通信をし、後方ハッチが開く。
さり気なく小さなネジを数個ばら撒きながら、死角から軍人Aがライフルを構え、ジェット機に射撃。弾丸には粘着弾を使用。従来発信機を付ける為の弾を、代わりに縮小したトシローが込められ、ネジが機体に当たる音に紛れながら着弾。
レイ「トシローはうまく着いたのか?見えない」
タイガ「縮小したトシローは無線を持てないから信じるしかない、変な動きが見られたらジェット機ごと斬るまでだ。」
数分後、ジェット機から輸送機に無線が入る。
トシロー「聞こえるか?パイロット2人を倒しジェット機を占拠した。」
輸送機パイロット「ドッキングして総司令部まで連れて行く。」
トシロー「指示をくれ、俺は操縦出来ない。」
レイ「ははっ操縦出来なきゃ逃げる心配もないね。」
レイ達は輸送機に戻った。
ドッキングも成功し、総司令部へ。
数時間後、総司令部の飛行場へ到着。
輸送機から皆降りる。トシローもジェット機から気絶した2人のパイロットを担いで降りてきた。
トシロー「信じてもらえたか?」
レイ「うん。ジェット機の捕獲もできたし。」
軍人A「すまない、ルールだ。拘束具を着けさせてもらう。」
トシロー「ああ。」
レイ「トシローのおかげで捕獲まで出来たのになんとかならないの?」
軍人B「気持ちはわかるが、俺らが決める事は出来ない。」
レイ「トシロー、大佐に俺からも掛け合ってみる。少し待っててくれ。」
トシロー「ふっ、一度は誘拐しようとしていた俺にそこまで言ってくれるとは人の良い奴だ。悪かったな。」
トシローとジェット機のパイロットをUSA総司令部の軍人に引渡した。
輸送機パイロット「それでは戻ろう。」
再び輸送機に乗り、EU基地へ。
無事帰還し、輸送任務終了。
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