第25話:防衛戦
輸送任務を終えてEU基地に着いたレイは真っ先にロック大佐の部屋へ向う。
レイ「ロック大佐今戻りました、トシローの事なんですが。」
ロック「報告は受けとる。既に上にも伝えた。EU基地で受け入れると。貴族の依頼でウエポンズを誘拐しようとした事と今回輸送中に攻撃を受けた事の事情聴取が長引かなければ、すぐに裁判になるだろう。」
レイ「ありがとうございます。」
ロック「まだ早いわい。あくまでも再犯の可能性がないと判断されるのが大前提だからな。」
レイ「はい。」
ミーナが慌てて部屋に入ってきた。
ミーナ「ロック大佐!総司令部で大規模な爆発が起きました。」
ロック「どうした!」
ミーナ「飛行場にあったジェット機が突然爆発して燃料タンクや他の飛行機に次々と誘爆、広範囲で軍人、建物に被害があった模様。死傷者多数との連絡がありました。」
レイ「ジェット機?」
ロック「輸送機を攻撃してきた機か?」
ミーナ「その様です。」
ロック「応援を送る。至急空いている兵から人選してくれ。レイも頼んだ。」
レイ「はい。」
ミーナ「たった今犯行声明がとどきました。再生します。」
???「我は、腐敗したこの世界を救済すべく神が抜いた剣。WAZの諸君、この度は爆弾をわざわざ基地内まで運んでくれてご苦労。元々ウエポンズの捕獲ではなく、総司令部への攻撃が狙いだ。今回の爆発はウエポンズの能力だ。触ったものを爆弾に変えられる。人も物も。火薬を使っている訳ではないから検査にも引っかからない。物質主義の愚かなお前達も、爆弾かもしれないと物を容易に触る事すら出来まい。只今より最後の審判の日までお前達を追い込む。各地の同胞よ、今こそ欲望にまみれたこの世を浄化する為に立上がれ。世界に平安と神の慈悲と祝福のあらんことを。」
映像は切れた。
ミーナ「逆探知は出来た?」
横に首を振る分析官。
ミーナ「大佐、ジェット機だけでなく総司令部の至る所で爆発が起きている報告が入りました。」
ロック「とんでもない事をする奴だ…ここにも爆弾があるかもしれない、全員作業を止めてガスや石油などの燃料タンクから離れる様に伝えてくれ。安全最優先だ。基地を封鎖、敷地内への搬入物なども一切入れるな。郵送物一つな。司令室は通信と解析に専念。任務に出ている者にも通達し、極力戻ってこさせ、民間軍事会社にも応援要請の可能性がある旨の通達をしろ。」
ヴァン「大佐!」
司令室に急いで入ってきた。
ロック「ヴァン、レイ達とでUSA基地へ行ってくれ。奴に頼む。」
ロックは机の上のボタンを押す。
ヴァン「ムンドゥさんを呼んだんですね。了解しました。レイ君行こう。」
タイガ「乗る飛行機は安全といえるのか?」
ヴァン「移動手段は飛行機じゃないよ。」
急に目の前に民族衣装を着た男が現れる。
ロック「ムンドゥ、USA基地へ頼む。」
ムンドゥ「ああ。USA基地へ行く者、手を繋いでくれ。」
言われた通りレイ、ヴァン、タイガは手を繋ぐ。
ムンドゥ「ロック、3人でいいのかい?そんなに能力を何回も使えないぞ。」
ロック「たった3人だが、100人力。他は今人選中だ。EU基地の安全を確認出来るまではあまり人手を割けないしな。」
ムンドゥ「そうか、それでは行くぞ。」
ムンドゥが目を閉じると、一瞬でUSA基地の司令室前に着いた。
当たりをキョロキョロ見渡すレイ。
レイ「瞬間移動?」
ヴァン「あぁ。teleportation。ムンドゥさんは軍人ではなく、大佐の友人だ。緊急事態で来てくれた。ありがとうございます。」
ムンドゥ「無事を祈る。」
何やら白い粉を3人に撒き、祈るムンドゥ。
ヴァン「おまじないをしてくれたんだよ。行こう。」
頷くレイとタイガ。
司令室の扉が開くと、中の大型モニターには何ヶ所もの火災映像が。
ヴァン「EU基地より応援に参りました。」
司令室の奥から大男が歩いてきた。
ジョージ「大佐のジョージだ。ロック大佐から今連絡をもらったばかりだが…早かったな。助かる。」
ヴァン「何をすればいいですか?」
ジョージ「ヴァンは建物の周りに土で分厚い防御壁を作ってくれ。残りの二人は怪我人の救助を頼む。」
ヴァンは施設の外壁前へ、レイとタイガは飛行場に向かった。
レイ「タイガ、手分けして救助しよう。」
タイガ「おう。」
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