第26話:黒装束
十数人を助けトラックの荷台に乗せた頃、放送が流れる。
「南の防御壁より侵入者あり、直ちに撃退せよ。」
レイ「どんどん状況が悪化してる…」
タイガ「レイー」
遠くからレイを呼ぶタイガが走ってくる。
タイガ「南の防御壁ってすぐそこだぞ。こんなに沢山の怪我人を守りながらは戦えない。こっちに来る前に俺らが叩こう。」
軍人「行ってくれ、ここは俺達がなんとかする。」
頷くレイ。タイガと共に煙の立つ南の防御壁に向って走る。
防御壁にたどり着くと、既に応戦している軍人が数人。
大きな穴の開いた壁から頭部に人が操縦する二足歩行のロボットがぞろぞろ入ってくる。
ロボットの腕に付いたガトリングガンに撃たれ、軍人は一人、二人と倒れていく。
レイ「やめろー」
ロボットにパンチ。吹っ飛んだロボットは壁に打ちつけられる。
タイガも抜刀術でロボットの足を切る。
レイ「ここは俺達が。怪我人と一緒に下がって下さい。」
応戦していた軍人に伝える。
レイとタイガは、ロボットの気を軍人達からそらす様に動き回りながら戦う。
少しすると、防御壁に見たことのある粘着弾が貼り付く。
弾からトシローが巨大化をしつつ出てきた。
トシロー「別れをしたばかりなのにな。」
「トシロー!」
レイとタイガが叫ぶ。
トシロー「話は後だ。こいつら倒すぞ。」
ロボットの5 倍程の大きさになったトシローが次々と蹴散らしていく。
タイガ「こういう戦闘にはうってつけだな。」
上空から敵の戦闘機がミサイルを打ってくるも、躱す。
トシローがロボットを掴んで振り回し、飛行機目掛けて投げ、1機墜落させる。
WAZの戦闘機も出動して応戦する。
遠くで敵の戦闘機が爆発。
Flyことジャック軍曹も応援に来たのが見えた。
レイ「ジャックさんも来たのか、空は任せよう。」
60体ほどのロボットを三人で倒したところで壁の穴からロボットの侵入は止まった。
トシロー「主役のお出ましか?」
ロボットから出る黒い煙の奥から、5人の人影が見え、こちらに向って歩いてくる。
黒装束A「お出迎えがたった3人とは舐められたものね。」
黒装束B「3人ともウエポンズなのか?」
黒装束C「1人は確定ー」
黒装束D「それは見ればわかるやろ、あの大きさ。」
黒装束E「気を抜くな、どんな相手かもわからぬ。」
黒装束の5人が見えた。顔はフードを深く被っていて見えない。
トシローは倒したロボットを5人に向って投げつける。
しかし、ロボットは当たる事なく跳ね返る。
トシロー「バリアか?」
黒装束Bがトシローを指差す。
指からレーザーが出て、トシローの肩を貫通する。
トシロー「ぐわっ!」
レイ「トシロー!」
トシロー「…大丈夫だ。」
黒装束A「急に物をなげてくるなんて行儀が悪いわ。」
黒装束E「こっちから攻撃をしかけたんだ、反撃も当たり前。」
タイガ「レイ、どうする。5人全員ウエポンズかもしれない。分が悪い。」
レイ「応援が来るまでここで足止めする。」
タイガ「了解。能力もわからない。慎重に行くぞ。」
黒装束E「お前らなどに用はない。どけ。」
レイ「はい、わかりました。ってどく訳ないだろ!」
レイが飛び出す。
タイガ「慎重にって言っただろ!」
タイガもレイを追う。
先程のレーザー使いがレイに指を向ける。
突然、レイと黒装束の間に倒れていたロボットが集約されて壁になる。
「基地を守ろうとする気持ちは伝わったが、無茶だねぇ。」
後ろを振り向くと、WAZの軍服を着た男が。
「少佐のキーンだ。少し離れろ。」
レイ達は敵から距離をとる為にさがると、キーンは手を上げる。
黒装束達目掛けてロボットや壊れた建物の鉄筋、鉄骨などが飛んでいく。
レイ「金属を操る能力…?」
粉塵で前が見えなくなるほど大量の金属が黒装束目掛け飛んだ。
キーンが攻撃をやめた。
敵のバリアには生花のように鉄がいくつも刺さっているが、内側までは到達していない。
黒装束D「危ないやろ」
黒装束A「ここの人達は物を投げるのが好きなの?」
黒装束B「ふっ」
レイ「バリアを壊さなきゃ何も出来ない。」
キーンはトシローに近寄り、
キーン「やれるか?」
トシロー「おう。」
キーン「これでバリアに刺さった鉄骨を叩いてくれ。」
キーンは廃材を能力で加工し、巨大なハンマーを作るとトシローに渡す。
ハンマーを持ったトシローは高くジャンプし、バリアに刺さる鉄骨を力いっぱい叩く。
鉄骨はバリアを突き破った。
ガラスが割れた様にバリアが全体的に効果がなくなった様子。
機を逃さず地面のコンクリートから鉄筋を突き出させ、黒装束を拘束しようとするキーン。
大きくジャンプする黒装束の5人。
しかし飛んだ先にはレイとタイガが。
2人とも敵を分散させる為、5人の端2人を散らす様に攻撃し、吹き飛ばす。
トシローも地上から1人を掴む。
2人を除き、バラバラになった黒装束。
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