第27話:キーンvs黒装束A.B

―キーンvs黒装束A.B―

キーン「そこの2人、私が相手だ。」

黒装束B「キーン少佐か。相手に不足なしだ。俺1人でやる。」

黒装束A「あなた、目的忘れてるでしょ?ゆっくりしてる暇はないの!2人で最短時間で倒すわよ。」

キーン「おいおい、俺が倒される前提の話とは。」

黒装束B「そんなに急ぐなら先に行けばいいじゃねーか!」

黒装束A「これだからあんた嫌いなの!」

キーン「緊張感ってものがないね」

キーンの軍服の内ポケットからピンポン玉サイズの鉄球を両手の指に挟むように八個出し、その鉄球を浮かせる。

キーンの周りをぐるぐる回り始める。

黒装束A「あれ、甘くみちゃだめよ。」

黒装束B「おう、わかってる。」

黒装束の2人は空気が変わった事に気付き口論をやめる。

キーンが操る鉄球は敵にまっすぐ向う。

バリアを張って守る黒装束A。

黒装束Bはレーザーでキーンを狙う。

レーザーは躱すが、キーンの鉄球はバリアを破る事は出来ず。 

キーン「硬いな」

黒装束A「守るだけが能力じゃないわよ。」

レーザーを躱すキーンだが、動き回るうちに見えない壁にぶつかり、囲まれている事に気付く。

キーン「囚われの身ってとこか。」

黒装束A「そしてだんだん狭くする」

徐々にバリアの箱は小さくなっていき、レーザーが避けにくくなっていく。

キーン「やるねぇ」

キーンが腕に着けた通信機器のボタンを操作する。

数秒後、キーンに向って大きなタンクが飛んできた。

キーンは鉄球を1つにまとめると、ものすごい速さで体の周りに回し始め、重さと速さと遠心力でバリアの箱を破壊。

タンクが黒装束の頭上に着くと黒い液体が大量に降ってきた。

黒装束2人を囲むバリアにかかるが、何もダメージはない。

バリアに沿って液体は地面に流れる。

黒装束A「この液体でバリアを黒く塗るつもりだったの?安易すぎるわ。」

キーン「よくわかったな。」

黒装束B「失敗だったがな。」

ニヤっとするキーン。

手を黒装束の方向に向けると、液体がバリアの壁を登り、全面を覆い、真っ黒な箱になる。

キーン「磁性流体って知ってるか?」

先程同様、鉄球を高速で回しながらゆっくりバリアに向かって歩き、話しかける。

黒い箱からレーザーが何発も飛んでくるが、相手が見えていない乱射の為当たらない。

黒装束B「バリアを解除しろ」

黒装束A「そんな事したら液体が降ってくるわよ。」

黒装束B「ならバリアの部屋を拡張しろ。」

黒装束A「やってるわ。でもこれ以上広がらないの。」

急に液体が磁力をなくし、バリアから流れ落ち、キーンが見えた。

黒装束A「周りを見て。」

黒装束Bが見渡すと、ロボットの残骸が山のようにバリアに積り、トンネルの出口にいるキーンが攻撃をしようとしている。

黒装束A「バリアが広げられなかったわけだわ。」

黒装束B「レーザー最大出力で突破する。」

黒装束A「相討ちはごめんよ。」

キーンに向ってレーザーを打とうと溜めていた黒装束Bの指に手を置く黒装束A。

黒装束Bの指先から光は消え、手を下ろす。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る