第36話:裏切り者
男が振り向くと
男「レイじゃないか」
レイ「なんでですか!ベンさん!」
ベン「何がだ?」
レイ「黒装束達を解放して中からまた攻撃させようとしましたよね?」
ベン「おいおい、俺は軍の相談役だぞ?」
レイ「アンディーもロック大佐も悲しみます。やめてください。」
タイガ「レイ、急にどうしたんだ。」
ベン「戦闘ストレス反応で混乱してるんだな。君、医務室へレイを連れてってくれないか?」
レイの後ろのタイガに言う。
レイはタイガに向かって首を振り
レイ「俺は正気だよ、さっき声が聞こえたんだ。この戦いで建物の中は苦しみや悲しみとか暗い声ばかりだったけど、一人だけ高笑う声がして、来てみたらここで、ベンさんだった…」
ベン「俺は声なんて出してないぞ?」
レイ「声って言っても心の声みたいな」
ベン「幻聴だ、レイ。ドクターに早く診てもらえ」
タイガ「でも、ベンさんはなぜここに一人で?」
ベン「これだけの被害を出した黒装束達を見たくてな。」
レイが入口の扉の裏に隠された部屋の警備兵が倒れているのを見つけ
レイ「こんな事してまで見たかったんですか?」
ベン「ふっ。ふはははは」
タイガ「レイが正しかったみたいだな。」
鞘に指をかける。
レイ「何でですか?」
悲しそうにベンに聞く。
ベン「相談役ってな、聞こえはいいが何の力もない。総司令官に助言をしたところで通じないしな。面倒いジジイを座らせる席なだけ。伝説のチームの一員なんて簡単に言われても、俺らのしてきた苦労なんて誰もわからんよ。」
ロック「お前は昔から出世欲が強かったよな。」
スピーカーから聞こえてくる。
ベン「ん?なぜ?」
ロック「レイから連絡が来ていたが取れず、折返しこちらからの発信も出ないから調べたらこの部屋だったからな。」
ベン「この小僧たちを始末して裏切者にしようと思ったが…まぁいい。」
ベンは手元のリモコンのボタンを押す。
カプセルの中の水が抜け始め、部屋中に大きなアラームが鳴り響く。
ロック「レイ!3分でベンを倒せ!!間に合わなければ収容したウエポンズが全員目を覚まし、解放されてしまう!!」
レイ「えっ?3分って・・・伝説の兵士ですよ?でも・・・やるしかないですね!!」
タイガは抜刀してベンを斬ろうとするも、躱される。
ロック「レイ、タイガ、すまないが頼む。ムンドゥも第二陣を派遣の際に力を使い果たしてしまった。止められるのはお前達しかいない。」
レイもタイガに続いてベンに攻撃するも、当たらない。
代わりにレイはベンのアッパーで天井に打ち上げられる。
天井にめり込んだレイがゆっくり落ちてくると同時に天井からスプリンクラーで水が大量に降ってきた。
タイガ「まじかよ…」
レイは起き上がり、
「プランcができたな。」
何か悟ったタイガ。
タイガ「おい…プランaとbが何か知らねえけど、cはダメだ、新しい能力使ったら全員…」
ベン「ふっ。アンディーとロックを見ているようなコンビだな。」
レイ「ロック大佐、黒装束の開放まであと10秒って時になったら教えてください、プランcでいきます!」
ロック「お、おう。プランcが何かは知らないが、カウントしておく。」
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