第33話:vsキーン
悲しい顔で見つめるジョージだったが、次の瞬間キーンにものすごい速さで近づき、両手を掴む。
ジョージ「キーン、俺だ、ジョージだ!しっかりしろ!!」
ジョージを見つめるキーンだが、返答はない。無表情でジョージの脇腹に蹴りを入れるキーン。
ジョージ「ぐはっ」
足が浮き血を吐きながらも両腕を離さないジョージ。
レイ「大丈夫ですか?!」
ジョージ「悪人とわかっていても仕留める事が出来ない優しい男なんだ。操られているとはいえ、自分の手で仲間に危害を加えてしまった事が我に返った時にわかったら、どれだけこいつが傷付くか…死者でも出そうものなら尚更。絶対にこれ以上やらせん。俺は大丈夫、他を頼む。」
レイは敵のウエポンズを探そうにも見当もつかない。目の前の仲間同士の戦闘を放っておけず、操られている軍人を当身で気絶させていく。
レイ「やめるんだ!」
一方、
ジョージ「仕方ない、キーンよ、手荒くなるが、溺れてくれ。」
片腕を離し、二本指を立てるジョージ。
消火の放水の水がキーンに集まる。
キーンも、掴まれた腕を剥がす為に近くの鉄を操りジョージを狙う。
両手は離れたものの、キーンの頭にはヘルメット状の水が。
息を止め、頬を膨らましながら反撃するキーン。
水の壁を作り、キーンからの攻撃威力を弱めるジョージ。
水の壁にキーンの攻撃が当たると、レイの方まで水しぶきが飛んでくる。
操られた兵の中に一人、急に背中から煙が立つ。
ジョージ「レイ、そいつがウエポンズだ!」
ジョージの指差す先にはレイが当身で気絶させ倒れた兵士。
?「ちっ」
倒れた兵士が立ち上がり、剣を抜いてレイを襲う。
レイ「やられたフリしてたのか」
レイは間一髪短剣で防ぐ。
?「負傷兵として運んでもらい司令部内に行くつもりだったのに」
レイ「お前WAZの軍人なのか?」
?「まさか。この服はさっき拝借したんだよ。それよりなぜこの服に煙が立ったのかわからない。」
ジョージ「キーンだよ、お前に操られる前にマーキングしたんだな。水がかかると発火する金属の粉をお前にバレぬようかけたんだ。水のウエポンズの俺へのメッセージだ。」
?「さすがはキーン少佐というべきか。だが、お前らも俺に操られて終わりだよ。」
ジョージ「レイ、気をつけろ。奴は操るのに条件がいると思う。でなければ、俺らはとっくに操られている。」
レイは後へ飛び、ジョージを見て頷く。
レイにもキーンの攻撃が降ってくるが、窒息しかけながらの技は徐々に遅く、飛んでくる物も軽くなってきた。
キーンの攻撃を躱しながらも敵を攻撃するレイ。
その時、レイの短剣がキーンの能力によって取り上げられると、そのままジョージに飛んでいく。
レイ「大佐!」
ジョージの背中目掛けて飛んだ短剣は庇ったレイの横っ腹に刺さった。
レイ「ぐっ」
ジョージ「レイ!」
レイ「大丈夫です、急所ではないです。」
短剣をゆっくり抜き、手で出血を抑えるレイ。
その時、レイの動悸が激しくなり、全身に流れる血が熱く感じた。
レイ「うっ」
ジョージ「どうした!」
レイ「いや、ナイフが刺さった傷ではないです、何かおかしい。これは・・・」
ナイフの刺さった腹から出血が止まっている。
右手を見ると、電気がバチバチと発生。
レイ「まさか・・・これが俺の能力?」
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