第30話:トシローvs黒装束D
―トシローvs黒装束D―
トシローは巨大化をやめ、黒装束Dと対峙している。
黒装束D「やめとき、わいには勝てへん。」
トシロー「留置中の身だ、WAZの味方をする義理はない。だがな、相手がお前らなら話は別だ。」
黒装束D「お前のような巨人、知らん」
トシロー「俺もお前のようなヘラヘラした奴しらぬ。俺を騙した貴族とつながりがあるんだろ?色々聞きたいことがあってな。」
黒装束D「そうか、戦う理由がお前さんにもあるんやね。ならやろか」
黒装束Dが右袖から組立式槍を出し、地面に突き刺すとトシローは動けなくなる。
ゆっくり近づく黒装束Dから重たいボディーブロー。
膝が崩れるが、なぜか倒れない。
トシロー「手足は動くが胴体が動かない。痛みはないが胸を串刺しにされた様な感覚…」
黒装束Dの槍の先を見てみると、自分の影がある。
トシロー「影を刺しているのか?」
黒装束D「勘はいいやん、もう遅いけど!」
左袖から同じく組立式槍を出し、本体のトシローの心臓目掛けて投げる。
トシローは巨大化し、心臓は外れるが、命中。
トシロー「いてーな!さっきのレーザーといい、お前ら、俺に穴開けやがって!」
巨大化したトシローは動けない場所が巨大化した事で変わった事に気付く。
トシロー「ん?巨大化したら固定される個所が胸から右足に変わった・・・なるほどな、槍が刺さってる影の場所が固定されてるのか。大きさの変わる俺の能力、お前には苦手な相手だろう。」
黒装束D「能力バレても、槍を抜かなければその場を動けない事に変わりはないやん。小さくなろうが槍が影の外に出る事はない。つまり小さくなるにも限界があるんや。そして、こんなことも出来るんやで!」
黒装束Dの影は蛇の様な形状に変化し、トシローの影目がけ進む。
自分の影をトシローの身体に巻きつけようとする黒装束D。
トシローの上半身は影の蛇に巻き付かれ動けなくなり、どんどん締め付けられる。
トシローは思い切り地面を足で踏みつけ、コンクリートを割って浮かせると、頭上で空戦中のヘリコプター目掛け思い切り蹴り飛ばす。
黒装束D「最後の最後で敵を少しでも減らそうとしとるんか?」
トシロー「言っただろ、WAZに義理はない。ちょうどいい所にいたのが敵機だっただけだ。」
命中したヘリコプターが落ちてくる。
太陽の光とトシローの間にヘリコプターが重なると、墜落が空中で止まる。
トシローの影は墜落途中のヘリコプターの影よりも小さくなり、地面にささった槍の効力は完全に飛行機に移った。
小さいまま物影を通り黒装束Dに接近。
トシロー「俺とは相性悪いぞ、お前。」
黒装束Dの影に入ったトシローは巨大化しながら渾身のアッパー。
黒装束Dは血を吐きながら宙に浮き、気絶した。
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