第23話:サムライ

レイはタイガをジムに案内する。

ガイ「本物の侍だぁー」

タイガを見てテンションの上がるガイ。

レイ「タイガ、当分みんなこんな感じのようだね…」

タイガ「JPNでも少ないからな、この服装。」

ガイ「やっぱり悪代官とか倒すの?着物着た女の人はあーれーとか言って帯引っ張られて回るの?紋所みるとみんなひれ伏すの?ねぇねぇ…」

タイガ「時代劇の見過ぎですよ…」

呆れ顔のレイ。

ガイ「そうだ、大佐に頼まれてたんだ。タイガ君、予定ないなら色々検査と測定したいんだけど、いいかな?」

タイガ「構いませんよ。」

ガイ「待ってる間、レイ君は訓練する?」

レイ「うん。」

プロジェクション部屋に入ろうとすると、

ガイ「サムライー!!」

タイガが上着を脱ぎ、腕に虎の入れ墨があるのを見つけ感激したようだ。

レイ「訓練に身が入らない…」


タイガのチェックが終わった。

レイ「ガイさん、手が空いたら相談したい事があるんだけど…」

ガイ「タイガのデータ入力も終わったし構わないよ。」

レイ「俺の能力の事なんだけど…」

ガイ「うーん…俺も気になってたんだけど…学者じゃないから、詳しくはわからない。解放値に対してこの前ドイルに使った能力が異常に高すぎるという点くらい。火事場の馬鹿力とは言うけど、腑に落ちない。正直、今まで見てきたウエポンズの常識が覆される話なんだよね。」

レイ「あの力、戦闘中出そうと思っても出ないし…怒りが足りないのかなぁ…」

ガイ「限定条件でのみ発動するウエポンズもあるけど…うーん…」

レイ「自在に発動出来る特殊能力じゃなきゃ戦闘でもウエポンズに対抗するのは難しい…」

検査用の服から着替え終えたタイガが来た。

タイガ「どうした?暗い顔して。」

レイ「俺の能力の話してたんだ。何かもわからないし、使い方もわからなくて…軍の役にたてるか不安になってさ…」

タイガ「特殊能力がなければ役にたてないってか?」

ハッとした顔でレイ

「いや、ウエポンズでないタイガたちが役に立たないとかそういうつもりは全くないからね!」

タイガ「わかってるから気にしなくていい。ガイさん、さっき案内してくれた装置でウエポンズと戦いたい。できればレイが会ったことある人。」

ガイ「…わかった。」

ガイに頷き部屋に入るタイガ。

タイガ「レイ、見ててくれ。」

ガイがpc操作するとプロジェクションからヴァンが映し出される。

刀を抜き、ヴァンと戦うタイガ。

土の波を避け、土の壁を真っ二つに切り、ヴァンに攻撃するも躱されるといった攻防を繰り広げるタイガ。


十数分後、ヴァンを倒したタイガ。

レイ「ねぇ、ガイさん!タイガ強いね!」

ガイ「パワーもスピードもある。相手が仮想とはいえ、ここまでやるとは…」

汗だくで部屋から出てきたタイガ。

レイ「すごいよ、タイガ!」

タイガ「なに、本物を倒したわけじゃないんだ。」

レイ「俺なんて秒で土に捕らえられたんだ。」

タイガ「何の為に見せたかわかるか?」

レイ「どれくらいの腕か見せたかったんじゃないの?」

タイガ「ちがう。ASIA最強と呼ばれる人とは誰だ?」

レイ「なんだよ、急に。ホウゼンだろ?」

タイガ「そう。ホウゼンは何のウエポンズだ?」

ガイ「ふふっ」

レイ「毛の色を変えられる能力だろ?」

タイガ「それはウエポンズの中で戦闘に長けている能力と言える?」

レイ「いや…むしろ戦闘には役に立たない能力かと。」

タイガ「なら何故ASIA最強と呼ばれる?」

レイ「実際に戦闘の映像見たことないから想像だけど、解放値と技術が高いからかなぁ?」

タイガ「ガイさん、合ってる?」

ガイ「まぁ正解。精神力や経験とか色々あると思うけどね。」

タイガ「特殊能力が気になるのはわかるけど、必ずしも最強の能力=世界最強ではないと思う。逆もしかり。ウエポンズ>ノンウエポンズでもない。そりゃ強い特殊能力を持ってる方が有利だとは思うけど。言いたい事は、仮に特殊能力がなくても強くはなれる。」

ガイ「タイガの言うとおりだね。」

レイ「…そうだね、特殊能力ばかりに気を取られてたかもしれない。」

タイガ「鍛錬あるのみ。」

ガイ「ふふふ、さすがサムライ。」

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