第11話:パンドラの箱

翌日、レイはジムで訓練している。

ガイ「レイ君、ロック大佐がお呼びだよ。」

訓練を止め、ロックの部屋に。

ロック「レイ、ご両親の話をしようと呼んだんだ。」

レイは頷く。

ロック「ジェンナー夫妻はWAZの研究施設で働いていたんだ。ウエポンズの研究をしていた。なぜ突然人類は特殊能力を持つようになったのか…特殊能力の解放や制御…沢山の発見、発明をした。初めてウエポンズが確認されてから約100年経つが、ご両親ほどウエポンズに詳しい人はいないだろう。WAZは三大軍で一番ウエポンズの少ない軍だが、そのデータこそがWAZの強みである。君がまだ3歳くらいの頃、研究施設にMTO(三大軍の一つ)が攻め込んで来て、ご両親と研究資料が狙われたんだ。施設は壊滅…多くの死者も出た…データは守ったが、ご両親は…。アンディーが退役したのもその頃だ。」

静かに聞くレイ。

ロック「これは以前、アンディーからもしもの時にレイに渡してくれと渡された。君しか開けられないらしい。一人の時に開けてくれ。」

小さな箱を渡される。

ロック「私はいつでも君の見方だ。なんでも言ってくれ。」

レイ「ありがとうございます。」

レイはロックの部屋を出る。

部屋に戻り、箱を開けると黒い球体が入っている。

レイが持つと、球体が光りはじめ、映像が出てきた。

エド「レイ、元気かい?お父さんだよ」

ナツ「レイ、ママよ」

両親をほとんど覚えていないレイは驚く。

エド「これを見ているということは、私たちはもうそばにいないんだね…今から言うことは誰にも言ってはいけない。いいね。」

レイは映像に頷く。

エド「私たちはウエポンズの研究をしていたが、先日偶然とんでもない発見をしてしまった。この発見だけはWAZにも報告出来ない危険な物だ。私たち二人は時が来るまでそれをある部屋に封印する事を決めた。その部屋の扉の鍵は全部で3本。信頼のおける守護者に1本ずつ渡した。守護者は、アンディー、ハンゾウ、ライラの三人。お互いに守護者が誰なのか、扉がどこにあるのか、開けた先が何なのか、知らない。ウエポンズの始まりであり終わり。世界の平和と破滅が扉の向こうにある、パンドラの箱とだけ伝え、護ってもらっている。今後ウエポンズが世にどう影響していくかわからない。もしも暗黒の時代がきてしまったら、レイ、お前が世界を救ってくれ。その時に私達が封印した物が役に立つ。そんな時代が来ないことを祈るばかりだが。」

ナツ「ルイをお願いね。二人とも愛してるわ。」

エド「二人の幸せを祈っている。以上だ。」

映像が消え、

レイ「なんだよ急に。世界を救えって…なぜ一緒にいてくれなかったんだ、チクショウ…父さん、母さん…」

レイは涙を流す。

箱を閉じ、大事にしまう。

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