第10話:アンディーの旧友

医療室を出たレイとヴァン。

ヴァン「行きつけの店、BARだけどいいかい?」

レイ「腹が満たされれば何でもいいよ。」

笑顔で返す。

エレベーターに乗り、ドアが開くと基地内とは思えないほど賑やかな空間。

ヴァン「飲食や娯楽フロアだよ。」

レイ「わぁー」

基地というだけあって少しピリついたイメージだったが払拭され感動するレイ。

少し歩いた所にある扉を開くと、カウンターが広がり、円卓が沢山並び、BGMが流れるBAR。

店の奥にはロック大佐が数人で座っているのが見えた。

ヴァン「うわっ、すごいメンバーがお揃いだ」

ロックの席を見て驚く。

目が合ったロックとレイ。

ロック「レイ、治ったのか。いいところに来た、一緒にどうだ?」

ロックが円卓の空いた椅子に手を指し、ヴァンとレイは座る。

ヴァンは店員を呼び、二人分の飲み物とレイの食べ物を注文。

ロック「紹介しよう。ヴァン曹長。それと、今日基地に来たばかりだが、レイ=ジェンナーだ。ウエポンズであり、ジェンナー夫妻の息子であり、アンディーに育てられた。」

ロックが紹介する。

ロック「ヴァン、レイ、彼らは私がまだ現場に出ていた頃に同じ班だったベンとカーンとエリザベス。今夜はアンディーを偲ぶ集まりだ。退役後、元軍人というのを公にしなかったアンディーの葬儀に軍の人間がぞろぞろ行くのもと思い、ここに旧友で集まった。」

ヴァンとレイに仲間を紹介。

カーン「アンディー含め5人の班…数えきれない任務をこなしてきたなぁ…」

ベン「もう30年も前の話だ」

昔を思い出し上を向く。

エリザベス「あれから三十年、偉くなっちゃったわね。私達三人は軍の相談役。現場に残ると聞かなかったロックは大佐。アンディーだけは地位も名誉もキャリアも捨てたわ…」

ヴァン「レイ、こんなすごい方々と同席出来る機会なんて二度とないぞ」

ヴァンは緊張しながらレイに小声で、説明するも

レイ「はぁ…」

飲み物がレイとヴァンに届くと、

ロック「改めて…。我々は軍人。いつ死ぬかわからない。常に死と隣り合わせの戦場で覚悟を持って戦ってきた。しかし、いつになっても仲間や部下の死を聞くのは辛い。アンディーの死は家族の死同然…。冷戦状態の三大軍もいつ戦争がおきるかわからないこの時代だが、我々老兵も力となり、若者たちに平和な未来を渡す。アンディーに誓おう。」

皆グラスを上げる。

「アンディーに」

その後、アンディーの話で泣き、笑った。


帰り道

ヴァン「部屋を用意したからそこで寝るといい。明日はどうする?」

レイ「能力が身につくまでもう少し訓練させてもらおうかと思ってる。ウエポンズと戦うには未熟だと痛感したから…」

ヴァン「そうか。ルイ君は引き続き捜索しているから、それまで鍛えるといい。」

レイは頷く。

ヴァン「着いたよ、君の部屋だ。おやすみ、レイ君。」

レイ「おやすみなさい。」


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