第6話:甘く見た旅

ヴァンはウエポンズの話の他に、色々な話をしてくれた。

基地の施設や、これから会う仲間の話。

基地への移動時間は長く感じなかった。

すると突然、最前列の車が爆発し、2台目の軍用車両がブレーキを踏むと後続車も続けてブレーキを踏み、列は止まった。

ヴァンが異変に気付き、目つきを変え、無線で部下に指示。

ヴァン「レイ君の車両を守れ」

車から兵隊が降り、レイの車を囲む様に陣形を組む。

ヴァン「様子を見てくる、車にいてくれ。」

ヴァンは車をおり前方車両に向かって走る。

レイ「足早っ」

ヴァンが周囲を見渡すも敵の姿は見えない。

車の窓から外を見渡していたレイだが、ヴァンの座っていた座席へ振り返ると

髭面の男が座っている。

レイ「わっ!!」

レイは大声で驚き、車に背を向けていた兵隊も振り返る。

運転手は後部座席から男に蹴り飛ばされ、フロントガラスを突き破る。

レイの声ですぐ戻ってきたヴァン。

隊をどかし、地面に手を当てると、大量の土が割れたフロントガラスから車の中の男に向かい飛んでいく。

初めて目の当たりにする特殊能力に驚くレイ。

男は首から下が土で覆われ、拘束された。

ヴァン「大丈夫か、レイ君」

レイは頷く。

同時に車から降りようとドアに手をかけるも、土から男の手が出てきて首根っこを掴まれる。

男はどんどん巨大化し、ルーフを突き破り、7mほどに。

ヴァン「しまった!」

男「なんて圧力の土…さすがはSoil。能力を使わねければ骨も潰されてたわ」

ヴァン「この能力…Sizeか!その子を放せ!」

男「そう、俺様がSizeことトシロー=ゴウダだ。ヴァン、お前を狙って車に忍び込んだが、もっと簡単に捕まえられる未開放の能力者がいたからこっちを頂いてくよ。」

ヴァン「レイ君、今助けるから」

レイはトシローの握力で身動きが取れない。

トシロー「おっと、妙な動きするなよ。解放していない能力者など握りつぶすのも簡単なんだから。お前ら全員手を頭の後ろで組んで跪け。」

跪くヴァンと兵隊たち。

レイは苦しみながら、悔しがる。

レイ「能力者とはこうも力が違うのか…ちょっと人より腕っぷしが強いって自信もってたのに情けねぇ…ルイを助けるって簡単に言った自分にも腹が立つ!」

だんだん怒りがこみ上げてきたレイ

レイ「うぉぉぉぉぉ」

トシロー「な、なんだ?」

レイの体を掴んでいた指が徐々に開いていく。

レイはトシローの手から離れる。

ヴァン「今だ!」

ヴァンが手を地面にあてるとトシローの足元から土が上り一瞬にして全身を覆う。

着地したレイはヴァンの元へ。

ヴァンはすかさず拳を強く握ると、トシローを覆う土が縮んでいく。

ヴァン「レイ君、すまない、注意不足だった。」

レイは首を振る。

兵士が首輪のようなものをヴァンに渡す。

ヴァン「これで能力を封じられる。」

レイに説明すると、ヴァンは技を解き、常人サイズに戻り気絶しているトシローに首輪と手錠を掛ける。

ヴァン「連れて行くぞ」

レイ「…ヴァンさん、俺強くなりたいよ。」

ヴァンは笑顔で頷いた。

トシローを車に乗せ、基地へ向かう。


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