第5話:ウエポンズ

ヴァンとレイは車で基地に向かい移動中。

ヴァン「レイ君はどんな能力なんだい?」

レイ「実は、能力は使うなって言われてきたから、自分でもよくわからないんだ。」

ヴァン「…ウエポンズは戦力にも金にもなるからね…それもとてつもなく…その教えは正しかったかもしれない。Detectがいなくても周りの噂や通報で狙われるかもしれないし…」

レイ「でも、俺の情報は流れ、見つかってしまった今、ウエポンズという事を隠す必要がなくなった。ウエポンズと戦わなきゃって時もいずれ訪れる。いざ必要な時に使える能力にしなきゃルイを助ける前に殺されちゃうかもって考えてたところ。」

ヴァン「基地に着くまで少しウエポンズについて話をしよう。あまり世間に公表されていないこともあるから。」

レイは頷く。

ヴァン「ウエポンズの特徴。まずはご存知、特殊能力。Detectは探知、Meltは溶解の能力。人によって様々な能力が発生する。それともう一つ、身体能力が人より長けている。解放値という大まかな数値でいわれるが、これは能力の高さを表すんだ。」

レイ「解放値?」

ヴァン「本来人間が使う脳は10%ほどと言われているが、ウエポンズは残りの90%を使い能力を発動する。その90%をどれだけ使えるかってこと。例えば、火を使うウエポンズがいたとして、解放値は1。この場合、ウエイトリフティングを同年代の友達とやっても大差はない。火力はコンロの火程度。解放値が10だったらウエイトリフティングの世界記録すら超えられる。火は火炎放射器の数倍だろう。MAX100で表される解放値という数値のたった10で人類の身体能力の壁を越えてしまうんだ。パワー、スタミナ、スピード、タフネスなどね。」

レイ「俺もすでに能力の恩恵をうけていたのか、身体能力…」

ヴァン「いや、まだ使ってないと思うよ。君の強さは育ての親のアンディーさんの教えの賜物だ。万が一の時に身を守れる様に教えたのだろう。君が狙われぬよう、普通の人として能力に頼ることなく生きていけるように。彼が教えた武術が君を強くした。小さな街の警察官だったが、元はとても有名な軍人だ。ウエポンズでもないのに、ウエポンズを何人も倒してきた武術の達人。ある事件をきっかけに退役し、生まれ育った街で過ごしたいと。」

レイ「ジジイのくせに強すぎるとは思っていたが、初めて知った…」

握った拳を見つめ涙ぐむレイ。

初めて聞くウエポンズの話…その能力を早く身につけなければとレイは思った。

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