仁–第仁夜:狼の考え

死体を一番間近で見ていた藤堂が言うに浪士の死体の傷は沢山あった。もし沢山の浪士同士が争ったのであれば騒ぎで気付くであろうが、それでは無かったのであれば少数人でやったとなる。もし仮にそうであったとなればなぜ人思いに殺らなかったのだろうか?もしかして本当は殺す気など毛頭なかったのかもしれないと藤堂は考えていた。


「どう思う?」

 そう言うと土方は


「俺はその殺した奴じゃねぇから分かんねぇ」

 そう答え


「お前ら‼着替えたら即、朝餉にするぞ!」

「(一同)はいっ‼」


 と、言い屯所の中に戻った。


「分かんねぇの…(つまんないなぁ…)」

 藤堂はそう言うと腕を頭の上で組み屯所に戻った。

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