運命交差

仁-第壱夜:狼

「ちっ…また出やがったか…」


“用心棒”ではない。

壬生浪士組、後の新選組鬼の副長、土方歳三である。


実を言えばここ最近、壬生寺の近くで斬殺死体が出てくる様になった。


額には“来世永劫”の字。

これと傍らにある仕舞われた刀。

数が全く合わない刀の本数と浪士。


その3つがいつも謎だった。


「土方さん、こいつ等を殺した人は殺す気あったのかな?」

そう童顔の青年が聞いた。


彼は後の新撰組副長助勤八番隊,隊長の藤堂平助。

最後の死体を寺の僧と息を合わせ傍らにあった刀と一緒に棺桶に入れ蓋をし,土方と向き合った。

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