第伍夜:そして、また始まりへ
バッッ‼
辰は刀を斜めに振り、刀にこびり付いた血を払った。
彼に傷はない。
最初に斬られた傷も、何もかも。
そして己の力で変わり果てた姿になった死骸を見て呟いた。
膓が飛び出ている者、系動脈が切られて真っ赤になっている者、粉となり崩れ落ちた者…
「“諸行無常”、か…俺を憎むんなら自分の非力さを憎むんだな」
そう言い肉体が残る一人一人の額に“来世永劫”と血塗れの指で書き、刀を一つ一つ収め傍らに置いた。
そして辰は何事も無かったかの様に柳に結び付けた魚を持ち、歩きだした。
その顔は何故か少し悲しげな顔であった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
…プツッ‼
「あっ…‼」
ゆらりゆらりと柳に結び付けた魚を持って彼が歩く中、いきなりこめかみ辺りから血が噴射された。
彼もやはり無傷…ではなかった。
「うわ、ヤバッ‼血が出てる‼出てる‼(焦)」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます