第四夜:赤斬(あかぎり)

その姿を見て、一人の男が叫んだ。

「お、お前は‼滅亡したはずじゃ…⁉」

「遺言はそれだけか?」


彼がそう言い、相手が答える隙なんぞ無かった。

ヤツは…もう目の前に来ていた。

ザンッ‼


「ガハッ‼」


彼は最後、仲間が血煙を上げて血塗れになり倒れている姿を見て…自分の手が、脚が無くなったのに気付いた。

『……⁉︎‼︎』

自分の体を支える物がなくなる。

…ドザッ‼︎

地面に倒れ、体が冷え、体の末端の感覚が無くなっていくのが分かった。

彼はヤツの赤い、赤い眼を一瞬だけ見…

ザグッ‼︎

『…チッ、まだ息していやがった』

辰はまるで汚い物を見るかの様にその死骸から刀を足で抜いた。

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