第32話天才?
24-032
十二月の予定日を過ぎても産まれない凜香の子供、大きく成ってしまうから早く産まれる薬を使う小倉医師。
香里は子供を連れて退院、高齢出産で大変だろ?の予測は全く外れて、母乳はよく飲む元気な子供と医師に言われた勝弘。
(母乳を楽しみにしているのだから、当然だよ)と卑猥な赤ん坊に成っていた。
「子供出て来ないのよ、困ったわ」と凜香が香里に言うと「お腹切れば?」
「嫌よ、恐いし傷が残るわ」と怒る凜香。
「貴女、彼としてないでしょう?」
「何を?」
「あれよ」と耳元で囁く「えー、妊娠中にすると馬鹿に成ると聞いたわ、だからしてないわよ」
「だからよ、私達は沢山したから、高齢でも安産よ」と小声で言う香里。
「今日は無理よ、一緒に帰りましょう、今なら主人の車で帰れるから」と言うと泊が「車、玄関に止めたよ」と入って来た。
凜香も諦めて、一緒に車に乗り込んで「大きく成ったわね」と勝弘を見ている。
(よく寝るな、このおっさん)と美千代が見て言うが、反応は全く無く眠っている。
だがその日の夜、薬の効果で産気づく凜香、真夜中に女の子を出産して、香里に小菅健太が嬉しい声で連絡をしてきた。
翌日勝弘を連れてタクシーで病院に向かう香里(叔母さんも出て来た様だな、楽しみだ)と勝弘が喜ぶ。
(俺と同じ事をあの叔母さんも神様に言われるのかな?でも確かめると記憶が無くなるから聞けないな)と悩む勝弘。
全く同じ事を既に聞いている美千代、名前は多恵と付けられて病室で母乳の時間に香里と勝弘は病室に入った。
(叔母さん、ようやく出て来たか?)
(釜江さん、お久しぶり)と話すと同時に凜香が母乳を飲ませる為に乳房を出した。
(やっぱり、若い乳房が綺麗だな)
(恐い、赤ん坊ね)
(出来たら、変わって欲しいよ、叔母さんはまだ上手に飲めないだろう?俺は上手に成ったから、喜ばれるよ)
(いつまでも馬鹿ね)と飲みながら話す二人。
(私は美千代から多恵よ、よろしくね)
(俺はそのままだ)
(えー、そのままって勝弘なの?)
(その通りだ、賢く育つよ)
(また、酔っ払いの馬鹿に成るのか)
(今度は大丈夫だ、天才と呼ばれる)
(いつも、面白いわ)と二人の会話だ。
お互いが天使様の囁きを聞いているが、話しは出来ないから口には出さない。
美千代も同じ事を産まれて直ぐに告げられて、半信半疑だが確かめるには年月が必要で、勝弘に聞く事も出来ない。
数ヶ月後二人は最初聞いていた言葉を覚えると、徐々に昔の記憶が消える事が全く無い事に気づき始める。
「マンマ」「パパ」と言っても過去の記憶が鮮明に残っていたのだ。
肝心の言葉は普通の赤ちゃん言葉しか口から出てこない。
時々会う美千代と勝弘は、テレパシーの様な感じで話が普通に出来るが、言葉を覚えると同時にこの話す事が出来なく成ってきたのだ。
(叔母さん)と言っても反応が無くなるが、向こうの美千代の声はまだ聞こえる。
(釜江さん、もう忘れたの?)
(。。。。。。)遅く産まれた分美千代の方が遅れていたから、まだ話が送れるが、相手の反応が無いので諦めて喋るのを止めてしまう。
(私だけが、記憶が残るのだわ、もう釜江さんは普通の赤ん坊だわ)と思い始める美千代。
そうなると勝弘も(叔母さんはもう普通の赤ん坊に成ってしまったのだ、何も言わなく成った)と理解してしまった。
画老童子と安芸津童子は二人を見て(もう、過去を忘れてしまった様だね)
(本当だね、お互いが話さなく成ったね)
(それじゃあ、もう少し大きく成ってから、見に来よう)
(楽しみだね)と天空に飛び去ってしまった。
彼等神様には一瞬の時間だが人間社会では、十年以上の歳月が流て。。。。。。。決められた日時に戻る設定にして、それまでお互いこの二人を見られない事にしていた。
泊刑事は定年して、二次就職で警備会社に就職が決まって、小菅達に見送られて刑事を退職していた。
「退職金と年金では生活出来ませんか?」と須賀刑事達に言われて「いゃー子供が良く出来るから、勉強にお金がかかるのだよ」
「まだ小学生でしょう?」
「親の私が言うのも変な話しだが、天才だと思う時が有るよ」
「娘さんの上の子供さんも、変わっているらしいですね」
「まだ小学生なのに、美術とスポーツに才能を発揮しているよ、下の男の子は普通だけど、お姉ちゃんは水泳で記録を出すからね、将来恐いよ」と泊が自慢をして、警察を去って行った。
そんなある日画老童子と安芸津童子が(そろそろ、結果が出る頃だ)
(叔母さんから見に行こう)
(安芸津君、叔母さんは変わっているから驚くよ)
(まあ、それはないと思うよ)プールに二人が現れて(水泳しているのだな?)
(前世でも水泳はしていたよな?)
(確か亡くなる数日前も泳いでいたから、前世と同じだな)と見守る二人。
「おおー凄いタイムが出るぞ」とプールサイドでスイミングのコーチだろうか?ストップウオッチを片手に叫んでいる。
「小学生の記録では、日本記録だぞ」と泳ぎ終わった多恵に声をかけるコーチ。
(少し変じゃあないか?)
(小学生の日本記録って言ったよな)
(そう聞こえた)
(それって、前と違うのでは?)
(趣味の世界のスイミングではないよね)
(勝ったかも?)と叫ぶ画老童子。
(今まで一度も、その様な子供居なかったよな)
(確かに、これは将来水泳のオリンピック選手に成るのか?)
(酔っ払いも見に行こう)
(負けられないからな)と言うと二人は直ぐに移動すると(静かだな)
(塾か?)
(高校生の塾に何故?)
(見てみろよ、あそこに小さい子供が座って居るよ)
(えー、あれが酔っ払いか?)見つめる二人は驚く。
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