第25話妊娠
24-025
二週間が経過して「お母さん、大変なのよ!」と凜香が携帯に電話をしてきた。
「どうしたの?」
「まだ、誰も知らないのだけれど、妊娠しちゃった!」
「えー、避妊してなかったの?」
「していたわよ」
「じゃあ、何故?」
「山中温泉の時は始めてだったから、してなかったから、その時だと思うのよ、どうしよう?」
「学校行き始めたのに、大変だわね、小菅君に相談しなさいよ、お母さんでは決断は無理よ」
「判った、聞いてみる」とトーンが大きく下がる凜香だが、夜に成ると「お母さん、あのね!小菅さんの家の人が全員ね、大喜びで、産んで欲しいと言うのよ」「学校は?」
「途中から休学する事に成ったわ」今度は声が弾んで嬉しそうに成った凜香。
(そうよ、殺されたら蘇れないだろう?若いお母さん!)美千代はお腹の中で安心の笑いに成っている。
(安心したら、喉が渇いたよ、レモンスカッシュ、頂戴)と叫ぶと、既に冷蔵庫から缶を取り出して飲み始める凜香だった。
夜に成って泊刑事の自宅で「貴方驚かないでね」
「何を?まさか子供が出来たと言うのでは?」
「何故知っているの?」
「そうか、俺も親父に成るのか?」と嬉しそうに言う泊に「えー、何か勘違いしていない?」
「えー、勘違い?」
「そうよ、子供が出来たのは娘の凜香よ」
「えー、凜香ちゃんに!大学どうするの?小菅の家は困るだろう?」
「それがね、小菅さんの家では大喜びだって、お父さんが早く亡くなった事もあって、曾孫の誕生を喜んでいるそうよ」
「それなら、問題はないな、良かったね」と半分笑顔に成ったが、自分の子供では無かったので少し残念そうな泊だ。
「じゃあ、お爺さんとお婆さんに成るのか?」
「嫌だわ、困ったわ」香里は生理が終わってお婆さんに成るショックの方が大きく、気持ちを暗くさせていた。
そんな、香里を泊が気を使って「お婆さんではないよ、こんなに綺麗なのに」とキスをしてくる。
直ぐに気分が変わってしまって、キスを始める香里、最近は忙しく早く帰ったのは久々だった泊はそのままベッドに倒れ込んでいった。
(おい、俺が居るのに、頑張るなよ、これ苦しいのだよ)ようやく香里のお腹に居る事が最近判った勝弘。
しばらくして(助けて、苦しい動きすぎだよ、傾くよ!助けてー)と叫んで気絶してしまった。
反対に凜香の方は至れり尽くせり状態で「お腹が目立つ前に、式を挙げましよう」と恭子が話して結婚式の準備に入る。
「息子が早く亡くなって、哀しかったが曾孫の誕生に、元気が出る祖父母達、隣の敷地に三人の新居を建てて住むと、いつでも曾孫の顔が見られると、早速建築会社に見積もりを取る庄一だ。
翌朝も(何だ?またか?好きだな、助けてくれよ、俺押しつぶされるよ、四十女は好き者に成るって本当だな、この刑事も犯罪を取り締まるのをこれ位熱心にすれば良いのに?おい、朝からまた、ジェットコースターに成るのか?止めて-~~~)で再び気絶する勝弘だった。
毎朝、豆腐、納豆、レモンを食べる凜香が「食べ物の好みはこの子だったのね」と朝食のテーブルを挟んでお腹を触って、健太に教える。
「そうなの?」
「だって、私母も言っていたけれど、豆腐もレモンも嫌いだったのよ、それが大好きに成っちゃったでしょう?」
「お母さんも嫌いな物食べてなかった?」と健太が言うと凜香が考えて「そうね、お母さんも塩辛、キムチ、明太子とか辛いのは苦手の筈よ、変ね」
「じゃあ、お母さんも妊娠?」と健太が笑うと「お母さん、もう終わったと嘆いていたのよ、無理よ」
「そうなの?早くない?」
「でもないわよ、もう四十五歳に成るから」
「そうか、女終わって好みが変わったか?新しい旦那さんが出来て好みが変わったのだね」
「そうよ、結構激しいらしいわよ」と笑いながら話す凜香、そこに恭子が入って来て「何が激しいの?」と微笑みながら聞いた。
「あ、あの、その。」と口ごもる凜香に健太が「お母さんもそうだった?」
「何が?」
「凜香がね、子供が出来て好みの変化が激しいと言うので」
「そうなの?私も変わったわ、健太が妊娠の時、じゃあ男の子よ、そうよ!きっと」と上機嫌でホームセンターに向かう恭子。
凜香が「助かったわ、聞かれたから、何を言うか困ったわ」
「上手だろう?」
「うん、流石健太さんだわ」
「僕らは、子供の為に自粛だね、子供が宿っている時にSEXすると、子供が馬鹿に成るらしいよ」
「それ、ほんとなの?」
「上月先輩は教えてくれたよ」
「嘘っぽいな、からかわれている?そうじゃないの?」と笑う凜香に軽くキスをして出掛ける準備を始める健太だった。
(そうよ、激しいのは駄目なのよ、身体が変に成るからね、馬鹿に成っちゃうかもね、釜江さんも何処かの誰かのお腹に入って蘇ったのかな?話も出来ないし、何処の誰かも判らないのか?寂しい気分だわ、確か神様はお腹の中から外が見えると話して居たけれど、明かり以外は何も見えない、話し声、匂いは判るけれど、それ以外は何もわから無いわね、嘘を教えたのかな?)朝の食事で目覚めた美千代が色々と考えるが、直ぐに眠く成ってしまって、再びの眠りに成っていた。
「洋さん、遅刻するわよ、朝からするから、また朝食抜きで行くのね」とキスをする泊と香里「僕が行ったら、ゆっくり食事をすれば良いよ」
「当然よ、もうお腹が空いて大変なのよ、キムチでかき込むわ」と笑う香里だが、幸せそのものの顔をしていた。
でも、最近回数多くない?まあ良いか、長い間男の人無かったからね、でも相性良いわね、断れないから私も好き者なのかも?と思いながら早速キムチを冷蔵庫から取り出して、暖かいご飯に乗せて食べ始める香里は至福の時だった。
(おお、キムチの匂いだ、朝から運動してお腹が空いた?俺の事まだ知らないのか?よく食べるな、もう二杯目だよ、また眠く成って来た、あーあー)
「何だかお腹が大きく成ると眠いわ、テレビ見るのは昼にするかな」と独り言を言うと片付けもしないで、親子で居眠り状態に成っていた。
香里が目覚めたのは凜香の電話だった。
「お母さん、お爺ちゃんがね、新居建ててくれるのよ」
「えー、お金持ちは良いわね」
「お願いはね、病院に一緒に行って欲しいの」
「いつ?」
「明日よ」
「判った、空けて置くわ」その話が終わると既にお昼前に成って「えー、また食事の時間だわ」と片付けも適当に、準備を始める香里はよく眠る様に成っていた。
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