第12話偽証
24-012
翌日、凜香に昨日の面接の結果が連絡されて、時間が合わないので今回は見送らせて貰うと言われて落胆をしていた。
昨日の須賀刑事達の聞き込みで、ホームセンターの職場では香里の噂が充満していた。
何をしたのか知らない従業員、パートは次々と憶測で噂を広める。
聞き込みをした二人は何も収穫は無く、香里と釜江の姿の目撃情報も皆無、お金を貸したとか、借りた話も無くこの店での聞き込みを終わっていた。
今日は朝から職場に来た香里に友人の児玉が、早速駆け寄って来て昨日の刑事の話を教えて、みんなに変な目で見られているから気をつけてねと教えてくれた。
予想はしていたが、早速好奇の目で見られる試練の中に入ったと思っていた。
警察は香里の金銭のチェックを銀行の口座を綿密におこなって「須賀君、これなら無理だな」
「本当ですね、お金を貸していてのトラブルは有り得ませんね」と香里の証言を裏付ける結果に成っていた。
「逆は?どうでしょう?」
「逆とは?」
「釜江が男女の関係に成ってからお金を貸していた」
「あのローン地獄の釜江が?女に金を渡すかな?」と怪訝な泊刑事。
そこに小菅が「お袋が戸崎さん知っていましたよ、男の噂も無い真面目な人だと話していました」と話した。
「女は判らない、一皮剥けば恐いものだ」と須賀が言うと「母は数年前から人事の仕事をしていますから、見る目は確かだと自慢していますよ」と付け加えた。
そんな小菅の携帯に始めて見る番号の着信が有って、慌てて廊下に出て行く小菅刑事。
「何方でしょう?」
「すみません、戸崎と申しますが昨日のバイトの話お願い出来ないでしょうか?」初めは誰か判らなかった小菅が「戸崎さんの娘さん!」と声が弾む。
「それでは、聞いて連絡します、待っていて下さい!」
「お願いします」電話が終わると嬉しそうな小菅。
早速元勤めていた本屋(豆の木)に電話をする小菅、お前の推薦なら一度連れて来なさいと店主の木梨は答えて、小菅は喜んで凜香に連絡する。
「今夜、迎えに行くから、七時なら大丈夫?」
「はい、お願いします」健太は上機嫌で戻る。
今夜、聞き込みにスナックビルに行くと須賀刑事が話している。
「小菅!行けるか?」
「僕、夜用事が。。。。。」と困る顔をすると「良いよ、俺が行く」と泊刑事が気を使ってくれた。
(画老君はもう決めているのだよね、あの叔母さんが蘇る場所)
(うん、決めているよ、意外な処にしたよ!)
(僕は今考え中、賭けに勝には環境を変えないと駄目だからな)
(天使様に見つかると、大目玉だから気を付けて遊ぼう)
(大きな事故とか、天災が無い事を祈るよ、負けた時に重なると、五日でも凄い人数だからな)
(酔っ払いは今、何処に行った?)
(女子高生の裸を見に高校に行っているよ)
(相変わらず馬鹿だな、あの男は変わらないだろうから、僕の勝ち決まりだな)
(まだ始まってないのに?)
(準備も大事だからね)と二人の神は仕事が一段落で遊びの話をしていた。
夜に成って嬉しそうに凜香の自宅に迎えに行く小菅刑事、アパートの前にあの加東が来て、凜香を呼び出していた。
家は先日の事が有ったので入り難いので、外に来る様に話していた時、凜香は約束の時間なので面接の姿でアパートから出て来て、小菅と加東と三人が鉢合わせに成った。
「あっ」と小菅を見つけてお辞儀をする凜香、小菅に「お前は誰だ!」と恐い顔の加東、今にも襲いかかる勢いだ。
「待って、加東君、この方は刑事さんで、私のバイトを紹介してくださるのよ」
「何故?刑事がバイトを?」
「また説明するから、今夜は帰って、今から面接なのよ!」と言って加東を押さえる凜香。
「行きましょうか?時間だから」と小菅が凜香を連れて歩き出すと、後ろを振り返って謝る凜香。
車に乗ると「すみません、乱暴な性格で」と謝ると「彼氏ですか?」と聞かれて「まあ、その。..」と答える凜香、その後面接の店まで無言の状況に成った。
面接に行くと(豆の木)の社長は凜香を見て「健太の紹介なら間違い無いだろう、可愛い女の子だから店も映えるよ、彼女なのか?」
「いいえ、違います」と凜香が慌てて否定する。
来週からのバイトが決まったが「健太の後輩か?」と社長が言うので「高校の?」
「大学だよ」
「えー、そうなのですか?奇遇だな」と再び凜香を見つめる小菅刑事。
面接が終わって帰りの車で、いきなり健太が「あの、もし彼と付き合いが深く無かったら、僕も友人の一人として付き合って貰えませんか?」と言い放った。
「えー」いきなり告白された凜香は驚きの表情に成って「私まだ、学生ですから社会人の方とお付き合いをするのは。。。」
「同じ大学だし、色々教えてあげるよ」
「そうですか、聞きたい事沢山有ります」と話すのでそのまま茶店に二人は向かって、大学のゼミの話とか色々な話を聞く凜香は、小菅が刑事では無い様な気分に成っていた。
その頃、スナックビルの(梓)の森永と美雪は度々の刑事の訪問に困っていた。
「このままだと、私達が嘘の話をした様に成るわよ」
「困ったわね、隣の店も再開店するらしいわ(夢)の客も何人か来たのに、また戻ってしまうわ」
「子供に一度相談してみるわ、元はあの子が大袈裟に話したのが原因だから」だが、二人の危惧とは関係無く、数日後意外な事から進展が有ったのだ。
警察に電話で、事件当日の携帯の写メを見たと近くのスナックの女性から通報が有ったのだ。
早速そのスナックに夜に成って.聞き込みに行くと、事件の当日の十時頃に入って来た女性が、先程事件が有ったでしょう、その時偶然写したのよと見せてくれたと話した。
何故今まで言わなかったと泊刑事が聞くと、自分の友達が警察の人が事件の事を調べて何度も聞き込みに来られたと聞いたからですと答えた。
「その客は誰ですか?」
「それが初めての客で、ビール一本飲んで興奮して帰られました」
「どの様な写真でしたか?」
「それなら、これよ!見て」とA4の紙に上手に書いた絵を差し出した。
それは明らかに下から写した絵で、手を突き出す女性が描かれて、丁度下に男が落ちている絵だった。
「泊さんこれは、明らかに手で押していますね」
「そうだな、でも女性の顔ははっきりしていないな」と言うと「そんなに真剣に顔見てなかったけれど、時々あのビルで会う女だったわ、見れば判りますよ」と言うので「この女か?」と写真を差し出す須賀刑事。
「この女でした、間違い有りません、携帯の写真の女はこの女です」と白井ゆみは女性を断言した。
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