チーム・アンビバレンスの華やかな登場。(チーム・アンビバレンスの会話、そのいち。)
チーム・アンビバレンスの会話を、書き起こしてみました。
前提としての、説明。チーム・アンビバレンスは、菜月(私)、××さん、○○さん、××さんの四人です。高校の、お友達です。お昼休みは、いつもいっしょに学校の食堂でごはんを食べています。関係性が、非常にアンビバレンスです。愛憎こもごも、です。でも三人ともなんだかんだで私のことが好きみたいです、と言うと○○さんには軽蔑を込めた冷たい目でみられて××さんには「おいっ!」って突っ込まれて××さんには「うん、それ自分で言う?」ってにこやかに言われると思います。たぶん。脳内シミュレーションの結果。そんな感じで、日々過ごしています。
便宜上、本名で呼ぶところは、ハンドルネームに変えてあります。
ときは今日11月12日の、お昼休みの食堂です。呼び出しやら音楽やら、それに加えて喋り声で、すっごくすっごくざわざわしているなか!
×「ぎこちない、なんかー」
菜「いやほんといつも通りでいいから」
(おかずを交換しようというお話。)
×「からあげ一個ちょうだい?」
菜「あ、いいよいいよ、ちょっと待ってね、待ってね、うんごめん、これが大事、うん」
○「ちょっとみえてるよこれ」
菜「えっ嘘、あっほんとだ、ありがと!え、どれでもいいのー?えっじゃあふたつあるの、これちょうだいー?」
×「いいよ」
菜「ありがと」
×「なんだろからあげさぁね、今日買いたかったんだけどさ、なくてさ」
菜「いいよじゃあ一個」
(ここで交換。)
菜「いただきまーす……ん、あ、これおいしい、××のお弁当!」
×「最近さー」
菜「うん」
×「××がさぁ菜月いじめんの好きってよく言うんだよね、よく言うんだよほんと」
菜「まじでー?」
×「毎朝言ってるよ」
菜「ほんとにー?そんなに私のこと好きだったんだありがとう、うれしくなっちゃうなぁ!」
×「まぁ最終的にはたのしければいいって話だよ」
菜「そうだね」
×「しかもうちらもう開き直ってるもん、」
○「え、なに?」
×「開き直ってるもんMってことを、開き直ってるから」
菜「今私たちって言ったな今」
(なんかここで、みんながいっせいに喋ってる!)
×「でもなつき素のときはMだと思うよ」
菜「私は筋金入りだと思うよ!」
×「認めたよ!筋金入りって言っちゃったよ!」
○「え、認めちゃった?」
菜「……違う違う私そんなんじゃない、今の冗談だから!今のは冗談!なにを言うんだまったく!真に受けちゃって今の冗談に決まってるじゃないか!」
×「ごめん冗談に聞こえなかったしー、言っとくけどー、あっほんとに認めたんだなみたいな」
菜「いやいやいやいや今のは錯覚です。幻聴です」
×「なんかあれだよね、認めたよね」
×「っていうかもう認めちゃったほうが面白いと思うけどな」
菜「だって認めたら認めたでさー!認めんなって言うじゃーん!」
菜「いやー、そうだからねー、録音したかったんさー、録音したかったのー。ふふふふふ。……いやどうしようなんか私がMだってことがさぁ、なんかもう知られちゃってさぁ、」
×「知れ渡っちゃってるよもう」
菜「困っちゃったねぇ!まあいいんだけどね!口だけだからこういうの!」
○「えなんか○○さんと話してるときにさ、これどうやって録ってたの」
菜「えだからこれで録ってんじゃないの、パソコンで録ってんだってば」
○「これ録音されないんじゃね?」
菜「いやだから実験だよ実験、だめだったらまた考えるよべつの方法を」
○「うーん」
×「今日のこれも実験で、昨日の小説(「赤い雪」)も実験で、だよ」
×「てかうん、読んだよ」
菜「メールきてさぁ、なんであんな時間だと思ったんだけど!でもありがと」
×「パソコンがつかえたのがさー、真夜中だったから」
菜「ん?」
×「パソコンがつかえたのがさー、真夜中だったから」
菜「ごめん聞こえない、食べてから言って」
×「パソコンやってたのが真夜中だって」
菜「ああそうなんだ、うんうん納得した」
×「通訳」
×「ここ音大きいしね」
菜「あー」
×「それもある」
菜「まあそうだね。ちゃんと録れてるといいけど」
×「音がかき消されてたら面白いけどね」
×「なかなか弟がさぁ、どいてくれなかったんだよね」
菜「ふぅん、そうだったんだ。それ共用?」
×「うん」
×「なんか面白いみそ汁だねこれ」
菜「ね、たまご……スープ。……でもありがとねほんと読んでくれて、感想までくれて。うれしかった」
×「でもだれがだれだか考えるのに精一杯だったんだけど」
菜「あぁそれはね私の失敗だなって、すごい思った」
×「なんの話?」
菜「昨日ちょっと実験的に書いてみたんだよ、アンビバレンス小説を。まぁ実験的にっていうか、ほんとに実験的に。で、それを××が読んでくれたんさぁ、ミクシィにあげたから、したらよくわかんなくなっちゃったって、だからそれは私のミスだから、もうちょっと頑張りますみたいな」
×「なんだろ。うちと○○はわかったんだけど、ふたりがあれ、どっちだろうなー?みたいな」
菜「そうそう、みんなそう言う。ありがと、なんか言ってくれて、それに読んでくれて。ほかなんかあったー?」
×「絶望してるなーとしか思わなかったんだけど」
×「ていうかなんか、客観的にうちらの会話みてみると、あ、面白いなーみたいな」
菜「あ、ほんと?それは良かったかも」
×「うちも思った、それ」
菜「ほんとー?それは成功だわ」
×「ていうか、うん。ふつうに面白いからさぁね、たぶんまた読むと思う」
菜「ほんとー?ほんと?あれさぁもっといっぱい書くから、じゃ読んで読んで!」
×「あれってだれ目線?」
菜「えわかんなかったんなら言わない、うん。わかるように書く」
○「え、なんて?」
菜「えだからぁ、だれ目線?って言われて、でも、まあわかんなかったんならやっぱ言うの恥ずかしいじゃんみたいな」
×「菜月視点じゃないの?」
菜「いやーじつはあれ××で書いたんだけど、」
×「あぁー」
○「本人!」
菜「そうそう××がわかんなかったんならちょっとそれは私のミスだなーって思っちゃって」
×「うち目線の、菜月?」
菜「うん」
×「あぁー」
菜「だって自分をモデルに書いてみようって書いてあったから」
×「あぁー。うち絶望してたか」
○「どういう意味?」
菜「その、そのお題がね、自分をモデルに書いてみようってお題だったんだよそのツイッターでそういうのがあんだけど三題噺みたいな、だから私をとりあえず主人公ってかメインに置いて書いてみよっかなって思って、とりあえず、で書いたん。……そうでもあれはね、今のうちらじゃなくて、もっと前の、たぶん高二の春くらいの私たちをモデルにしてるから」
×「あぁー。そうとう嫌いだった時期だよね」
菜「そうだね」
×「だって絶望してんだもんだいたいさぁ」
菜「そうだから、あの小説のコンセプトってかテーマとしては、私がわけわかんないこと言い出して、はぁ?ってなるはみたいな」
○「(笑)」
×「あぁー、なるほど」
菜「そういう感じで書いたの、そうそう」
×「今でもたまにわかんないことあるけどー」
菜「なんだよこいつまた変なこと言いやがって、ふっ、むかつくー、みたいな話を書いた」
○「むかつくって書いた?」
×「いや?」
菜「絶望する、って書いた」
×「そううち絶望してんのなんか」
○「え主人公が絶望してんの?菜月の会話についてけなくて?」
菜「そう私がわかんないこと言ってー、だめだこいつとはわかりあえねーみたいな、だめだこいつはやくなんとかしないと的なノリで」
○「はぁ」
菜「わかりあえねー、みたいな話」
×「でも高二のときはもう、菜月だけみたいな感じだったよ」
菜「んー……だからまぁ、そこはちょっと私の妄想が入った感じかも。ま、私の妄想入るとは言ってあるし」
×「そう、理奈がねぇ風鈴でさ、由香利が楓だと思ってんだよね、うちのなかで」
菜「あうん、それは当たってる」
×「やった。じゃあどっちが皐月で、どっちが葉月?葉月があたし?」
菜「あ、それ逆」
×「逆なんだ」
×「ふたりがどっちかなんだなっていうのは思った」
×「名前近いからそうなんだろうなって思った」
菜「なんで名前を似たのにしたかっていうとー、×がおぼえられないってネタがやりたかった」
○「え?もっかい言って?」
菜「だからなんでー、私が葉月で××が皐月にしたんだけど、なんで、こんな似た名前にしたかっていうと、楓が最初私たちの名前おぼえてなくておぼえられなくて、」
×「うん」
×「うんって言わないよそれ!」
菜「そうそのネタをやりたかったからー、似た名前にしたの」
×「でも今は寝ぼけてるとき以外はー、間違えないよ」
菜「そうだよね、だって私のこといじめたいって言うくらいだし?」
×「それはねー、思いっきりやりたいと思う」
菜「ほんとにー?やってくれていいよ、愛情の裏返しだから!」
(なんかまた、みんないっぺんに喋ってる。私がいじめられるの好きだとか、そういう話かなぁ推測するに。)
菜「私はねぇー……そうだよ?」
×「もうなんかさー、だめじゃん言葉になってないじゃん」
菜「言葉にならないんだよもう。それが愛だよ愛」
×「らーらーらー、ららーらー」
菜「そうそうそうあのノリで」
(××さんは前から、「うちらの会話って成り立ってるようで成り立ってない」と言っていたのですが、それがちょっとだけ、わかった気がした。)
(この時点で、約10分。)
(まだ、つづきます!)
(よろしくお願いします。)
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