『駆込み訴え』の感想。
太宰治の作品に、『駆込み訴え』というものがあります。
イエスの弟子であったイスカリオテのユダが、イエスの居場所を祭司たちに教えイエスを引き渡す、つまりまさにイエスを裏切るそのときの、ユダの独白を描いた作品です。
とても美しい作品だと思います。口述筆記によるものだということも関係するのでしょう、流れるような、心に染みわたる文章が素晴らしい。ユダの長年の、切実で切ない感情が一気に溢れ出ます。
いや、『駆込み訴え』、これはほんとうに美しい。文章はもちろんのこと、ユダの矛盾し破滅的で、そのくせまっすぐな愛!
圧倒されずにはいられないです。
このあと、ユダは接吻をもってイエスを裏切るわけですが、『駆込み訴え』を読みそのことを考えると、どうでしょう、そのときユダはいったいなにを思っていたのでしょう!
ユダの凄まじい思いが流れ込んでくる作品です。
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