小学三年生の女の子が主人公ということでほのぼのかと思いきや(いやそういう場面もいっぱいあるんですが)、いざ読んでみたら予想を裏切るすごい作品でした。
もう主人公が本当に良い子! ひたむきで人情味があり、子供らしい寂しがりやな面もある。そんな主人公が成長し突き進んでいく姿に、親心をくすぐられずにはいられません。
仲間たちもまた子供で、辛い過去を背負いながらもたくましくなっていく様子に胸を打たれますね。
話が進むにつれて明らかになっていく世界の真実や、倫理観を揺さぶられるような数々の出来事。ショッキングで生々しい描写も多いですが、終盤にかけての怒涛の展開とラストは、必ず読んだ人の心を満たし、ウルっとさせてくれます。
「大いなる力には、大いなる責任が伴う」という言葉がありますが、この作品はその言葉の意味をよく伝えてくれます。
良い意味で想像を超える、実に骨太な一作です。
この物語は、陽向麗音、小学三年生が、学校へ向かう最中、
突如出現した魔法陣によって、魔界に召喚される事から始まる。
そして、
「魔界、キターーー!!」
と、きらきらと瞳を輝かせ、それはそれは大はしゃぎ。
しかしそこは、勇者を名乗る者達が、暴力を振るい、
残虐の限り尽くし、殺戮によって滅ぼされた後だった。
魔王城の生き残りシルクと出会い、親に隠され生き残り、
親を殺された魔界の子供達と、大切なお友達となる。
そうして麗音が、魔界ライフを楽しんでいたある日。
勇者が現れ、大切な魔界の子供達に、言の葉に
するのも憚られる様な酷い事をする。
勇者を名乗る卑劣な者達から、お友達を守る為、
麗音は、縦笛を高々と掲げ、魔王少女に変身する。
面白いので是非読んでみて下さい。