不器用な僕。

綺麗に生きたい。

突然の話になるけれど、僕は自分の名前が好きになれない。

昔からあるような名前だけど、あまり多い数居無いので、キラキラネームと言われたこともある。

もちろん、ステキな名前だね、なんて言われることもあるけど、それでもやっぱり好きになれない。

僕の学校の先生が、

「名前はご両親からの最初の贈り物なんだから、大事にしなきゃ駄目だぞ」

と言っていたのを聞いたとき、苦しかった。

あぁ、僕は自分の何倍も生きてきたこの男の人よりも汚いんだなと思ってしまったから。

その先生は、生徒に慕われて居る良い先生で、面白くて正しくてきれい。

……僕とは違う。

僕は頑張っても自分の名前が好きになれなかった。好きになってあげられなかった。母さんには申し訳ないけれど、僕にも理由がある。

塾の先生に男か女かわかんねえ名前、と言われたり、キラキラネーム？と言われたり……。

何の気なしに、

「なんでこの名前にしたの？」

と聞いたら、

「あなたは私の天使だから」

って。

わたしの天使……。

わたしの……？母さんの……？

ちょっと、怖かった。名前の意味に、わたしの、なんて所有物みたいに。

僕だって綺麗に生きたかった。あのおっちゃん先生みたいに。

名前が好けないことが、そんなにいけないのかな。

だって、友達からふりっふりのどピンクの……バッグとか？貰っても喜べる人と喜べない人と、いるよね？

親と必ずしも、センスが合うとは、好みが同じとは限らないでしょ？

それでも「大事にしなきゃ駄目」なのかな？

母さんに対して、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

たまたま好みが違っただけなんだ。

その筈なのに……。

言い訳じみてることはわかっているけど。

それでも僕は綺麗に生きたい。

綺麗だよって綺麗に生きられてるよ、って言って欲しいだけなのかもしれないけれど。

名前を愛せなくても、綺麗に生きられたら。

そして、今日も眠れない。

母さんに怒られちゃうから、

お昼に眠たくなってしまうから、

眠りたいのに……。