2人のボーナスデー
「えへへへぇ、空ぁ、空ぁ…好きぃ」
ソファの上で俺と対面する様にして抱きついているアリス。媚薬を使ってるわけでもないのに顔は赤く紅葉し、何度も俺に好きと告げる。
なんでこうなったのかというと、それは少しだけ過去に遡る。
………
……
…
いつも通り朝食を取ろうと食卓についた時だった。俺は続きが気になっていた小説を読んでいる最中、アリスが話しかけた。
「ヤバい空…今私スッゴイ空の事好きなんだけど。いつも以上に」
唐突にかけられたそんな声。俺は「はぁ」とため息を吐き、小説を閉じた。
ここはバシッと決めてやろうと心に決め、口を開く。
「奇遇だな。俺もだ」
なんか今日はすげぇアリスが魅力的に見えるのだが気のせいだろうか。いやいつも魅力的なんだが、今日はよりヤバい。媚薬でも使ったか?と思ったが、使ってないらしい。
「でもさ、エッチィことをするってのじゃないんだよね」
「分かる。今は無性にアリスを愛でたい。癒されたい」
「そうなんですよ。多分私も空と同じ症状なんですよ。と、言うわけでさ、学校サボってイチャイチャしない?」
「大賛成」
………
……
…
って訳ですよ。え?学校をサボりすぎ?留年するぞって?残念ながらウチの学校出席はまぁ少しなら関係あるけど、極力はテスト重視なんですよ。んで俺もアリスも結構上位に食い込んでるんで問題なし。
「ねぇ空〜。キスしよ」
「おう」
アリスから誘ったというのに、俺が強引に唇を奪う。そして、お互いの舌を堪能し合う。
「んんっ…空ぁ」
何故お互いがこんなことになったのか。それは分からないが、最近少しだけイチャイチャを堪えていたからそれが爆発したんじゃないだろうかと考察する。
そして、唇を離してじっくりと目をみて告げる。
「好きだ。アリス」
「ぁ…面と言われると…少し…恥ずかしいね」
照れたのか、プイッ、と横を向く。それが愛おしくて、ずっと見てみたくて、思わず逸らした顔を強引に戻してしまった。
「そ、空…?」
「わ、わるい…お前が可愛すぎてさ…間近で見たかった」
そう言うと、少しだけ驚いた様な顔をして顔を俯かせた。
「うぅん。そういうことなら…もっと見て」
その後、アリスは妖艶な笑みを浮かべて俺に微笑みかけた。そして数秒顔を交差させていると、再び俺達はキスを交わした。
………
……
…
「おぉーーっす!!俺ちゃん登場!!」
みんなのアイドル和人ちゃん参上だぜ〜!!今日もめんどい授業を受けようぜ空…って?あれ?空は?
「なぁなぁ陽介〜。空知らね?」
「なんか今日は休むんだって」
そう言っていつの間に交換していたのか、空とのラインの記録を見せてくる。
ほえぇ、風邪でも引いたんかね?
「因みにアリスちゃんも休んでるらしいよ?」
「………は?」
なん…だと? 陽介ちゃん?俺空と比較された事まだ覚えてるからね?まだ傷口残ってるからね?まさかそこからデスソースぶっかける事なんてしないよね?
「あの2人が休むって久々だねぇ。今頃、家でなにしてるのかなぁ」
「うぉぉあああああっ!!やめろぉぉぉぉ!!あんな野郎なんて羨ましい真似を!!絶対にぶっ殺してやる!!」
2人がすることしたらアレしか思い浮かばない為、ナイフを持って空の家に突撃しようと考える。
「いやぁ…全部空に負けてる和人なら無理じゃない?」
げほぁっ!!!(吐血)
俺の心に1万ダメージ。残りライフ1。
「くっ…くそぉ…諦めん。この医学部というものに入ったのも、すべては可愛い女の子をゲットするため!!ならば俺にもまだチャンスは回ってくるはずだ!!」
「いやぁ和人って顔はそこそこだし性格もちょっとあれだから女の子が寄ってくるとは思えないよ?」
ぐはぁぁあ!!!
残りライフ0
かずとはちからつきた。
「………」
「あ…死んでる。おもしろ。インスタにあげよっと」
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