大学編突入
前回のあらすじ!
やめて!アリスちゃんの暴走でメンタルを粉々壊したら、同棲中の空君の精神は燃え尽きちゃう!
お願い、死なないで空君!あんたが今ここで壊れたら、この作品の歯止めはどうなっちゃうの? ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、アリスちゃんに勝てるんだから!
次回、「空死す」。デュエルスタン
「勝手に死なせるなぁぁああ!!は…夢か。ビックリした…」
なんか頭の中で昔のアニメのセリフが浮かんだような気がするのだが…気のせいか?
すると、部屋の扉を開いた金髪の美少女。俺の彼女であるアリスであった。
「空〜?大学遅刻するよ〜?それとも私に襲って欲しくてわざと寝たふりしてる?」
何とんでもないこと口走ってんだ!?と言うところだが、これがアリスの通常であるので気にしない。
「アリスに襲われるのはすげぇ魅力的だけどさ、それは夜にしようぜ」
「ふふ、良いよ〜」
卒業式から2ヶ月ほどが経過した。俺とアリスは等々同棲がスタートした。たった2ヶ月しか変わらないというのに、アリスには何処か魅力的というか、妖艶さ、というものが備わった様な気がする。そのせいで街中を歩けば何度もモデルにスカウトされたり、ナンパを仕掛けられたりしている。
まぁそのアリスを俺が独占できるわけだから、何も文句は無いけど。
「よっこらせ…」
ベッドから起き上がって服を着替え、リビングに直行する。そこには一切手抜きのされてない料理が存在しており、俺の心が少しだけ痛くなる。
「いつも悪…」
いつも悪いなアリス。その言葉を告げようとすると、唇を人差し指で抑えられる。
「それ禁止だって言ってるでしょ?私は好きでやってるんだし」
俺は料理というものが壊滅的にダメなのだ。だから料理はアリスに任せっきり。これがどうしても慣れない。
「……そうだな。時々媚薬混ぜられるし」
「っ!?な、何のことかなぁ…?」
汗をダラダラとかいて横を向くが、忘れたとは言わせない。同棲がスタートして1日目に初っ端の飯に媚薬ぶち込んで俺の理性ぶっ壊したことは。しかもそれは俺が強く咎めないので、不定期にそれを混ぜ、その日に限って俺を求めてくることも知っている。
「…媚薬なしでも良いってのに…」
思わず本音が出る。だって俺はアリスが大好きだ。これ以上ないほどに。だからアリスに求められればいつだってする。
「え…」
「何でもねぇよ。ほら、とっとと食おうぜ」
話を強引に逸らすが、食事中、アリスの顔は真っ赤に染まっていたのだった。
………
……
…
「はぁ!?空に彼女ぉ!?またまたぁ、冗談だろぉ?普段無口で無愛想なお前に彼女なんているわけねぇだろぉ?」
酷い口の利き方のコイツは、神原和人。何処か隼也と似たような共通点が多々あるが、あいつと違うのはコイツは彼女いない歴イコール年齢なのだ。だからか、今日合コンというやつに誘われたが、『彼女がいるから』と断ったらこのありさまだ。
「マジだっつうの。つか俺そんな無愛想か?」
「自覚無しかよ…」
高校じゃ結構喋ってた方だと思ってたが…どうやら違ったようだ。
「っつか、お前に彼女がいるという話詳しく聞かせろや」
和人にジト目を向けられる。別に隠すこともないし話してやる。
「幼稚園の頃によ、そいつがイジメられてたから助けてやったんだよ。だけどそいつはすぐに親の転勤でアメリカ行って、10年離れ離れんなった。だけど10年ぶりに再会して、なんやかんやあって付き合うことになった」
その際の詳細な説明は、話すととんでもなく長くなりそうだから辞めておく。
「な…なんじゃ…そのドラマみたいなストーリー」
「スゲェだろ。だけどマジな話だから」
「そ、それって…誰」
誰の話?そう言いかけたんだろう和人の声を振り切って、俺の授業のあった教室を開く人物。
「空〜!一緒に帰ろ〜!」
大きく手を振って現れたのは、当然の如くアリスだ。俺は教科書をカバンに詰めて立ち上がる。
「あぁ」
当然、周りはとんでもないほど動揺する。
「あ、アレって…」
「文学部の女神が…なんでここに?」
「あの男誰だ…ぶっ殺してやる…」
「我らの女神を汚しおって…」
とんでもない憎悪をぶつけられ、少し呆れた。だが、アリスに腕を組まれれば、その呆れが吹っ飛ぶ。
「アリス、当たってる」
「当ててるんだよ〜」
胸が当たってるのだがどうやら気にしないらしい。さて、帰ろうか。
俺らが扉を開いて教室から出ると、断末魔のような叫びが聞こえてくるのだった。
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