卒業旅行と、アリスの想い
アリスから最高のバレンタインを貰って、受験も終わって学校生活が1時的に終わったある日、俺らは学校に呼び出された。というより、俺らのクラスが呼び出されたと言った方が正しい。
「卒業旅行ねぇ…」
そうやって俺は小さく呟いた。大学入試はどうなったかというと、俺とアリスは同じ国立の大学を受けた。
アリス曰く、「空と同じ大学に行けないのは嫌だけど、空に迷惑をかけるのはもっと嫌なの!!」だそうで、センター試験は無事合格。二次試験も手応えは良いらしい。あとは合格発表日まで祈るのみだ。
「というわけでウチのクラスのトップカップル!!なんか意見はあるかね!?」
前で仕切っていた隼也が俺らに問いかけると、お互いに目を見合わせてそれに少しだけ微笑む。
「イチャイチャは後でやれって!今は卒業旅行どこに行くかなの!!」
俺が考えている間に、アリスから先に提案をする。
「私は京都かなぁ…自慢みたいに思われるのは嫌なんだけどその…帰国子女だから…日本の文化財を見て見たいなっ…て」
顔を赤らめて恥ずかしがる様に言うアリス。その顔に隼也は心臓を打たれた様な体制になる。
「あぉっ…尊い…っていてぇ!!」
隣にいる椎名に足を踏まれた隼也は教室に転がり、椎名は俺に質問をした。
「空は?何処かある?」
「大阪……やっぱなんもない」
大阪にはユニバがあるからそれを提案しようと思った俺だが、大阪には紅蓮が居たから辞めておこう。
「お?じゃあ京都で決まりっすか?他に意見あるやつは〜?」
………
……
…
多数決で京都に決定し、俺とアリスは帰路についていた。もうすっかり日も早くなり、5時だというのに夕方の真っ赤に染まった空が見える。
「おぉおおお!綺麗だね〜!」
子供の様にはしゃぐアリスに、対策笑みを浮かべて言葉を返す。
「そうだな」
「むぅ…そこはアリスも綺麗だよ、と返すところだと思うな〜」
若干拗ねたか?と思ったが、時折期待した様にチラチラとこちらを見て来る。
「ウチのアリスは宇宙一可愛い。揺るぎない事実を何を言う必要がある」
「っ…空ってばさ…時々そんな事言うから…ドキッとしちゃうじゃん」
ドキッとさせているんだけどな。そう思った時にアリスは俺に腕を絡めて来る。
「アリスちゃんは今甘えたい気分なので、これからこのまま帰ります。よろしいですか?」
「俺は今お前を抱きしめたいが必死に我慢しているので、家に帰ればいつもの様にしてもよろしいですか?」
「はい、全く問題はありませんよ」
「俺としても全く問題はありませんよ」
そう言いながら、俺らは歩いて帰宅するのであった。
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