酔ったアリスちゃんは攻撃力4倍です

「うぇへへへへへぇ、アレェ?空がいっぱいいる〜」


目の前には顔を赤くして、足元がおぼつかないアリスの姿。1つだけ言おう。

どうしてこうなった?

そして時は、大晦日の夕飯にまで遡る。


………

……


「二人とももうすっかり仲良くなったわね〜。最初の頃は空も結構警戒してたのに」


大晦日の夕飯の席で、母さんがそんなことをいった。


「いやぁあの頃の空は中々…私が猛烈にアタックしてもダメでしたからねぇ。まぁ昔の空も今の空も好きですけど」


あの会話は俺に聞こえるようにワザとやってるんだろうか。ほら父さんがニヤニヤしながら俺を見る!!


「なるほど〜。空、アンタアリスちゃん幸せにしなさいよ?」


「あぁ」


真剣にそれは返事すると、返事に乗せた感情を理解したのか、母さんは満足そうに笑みを浮かべた。


「アリスちゃん、これからもうちの空を…アリスちゃん?」


「………ヒック」


「「「ん?」」」


俺らは同時に疑問の音を出す。


「あ、アリス?どうした?具合でも悪い…ぐぉぁっ!!」


いきなり俺を押し倒すようにされたので、思わず悲鳴が出る。後頭部を腕でガードしたが、それでも床に叩きつけられた背中の痛みは消えない。


「ってて、何すんだよアリ…」


「うぇへへへへへぇ、アレェ?空がいっぱいいる〜」


………

……


そして現在に至る。


「クッソ!!アリス!お前何食った!?」


「うぇ?へへぇ、アレェ」


机の上に目を向けると、そこにあるのは親父のおつまみであるウィスキーボンボンか大量に開けられていた。しかも赤ワイン使った料理も食ってるし…。


「アリス!ぺっ!しなさい!それは食べちゃいけません!!」


「そうなんだ〜。でももうどうでも良いじゃーん。というかぁ…なんか暑くなってきたぁ」


そりゃあんだけ食ったら体は火照るだろうな。いや父さんから聞いた話だからあんまよくわからないんだけど。


「どぁっ!?な、何してんだよアリス!!」


服を脱ぎじめ、とうとう白い下着だけとなってしまった。巨大な2つのメロンに思わず視線がいくが、目を逸らしてなんとか対処する。


「うーん…?服を脱いでるんだけど?」


「脱いで…じゃねぇ!!ちょ!母さん!アリスを止めてくれ!」


「あらあら、ここは若い人に任せましょ。お父さん。いくわよ」


「そうだな。空、避妊はするんたぞ」


大人二人はさっさとリビングから出て行く。


「このダメ親父!!!ちょっ!!行くなって!!あぁ!!」


ばたん、とドアが閉められ、このリビングには俺とアリスの二人っきりとなってしまった。


「あぁ〜、これで二人っきりだ〜」


「…」


マズイ。マズすぎる。この状態のアリスは普段以上に何をしでかすかわからない。


「あ、アリス。一回服着ようか。な?」


「ええええぇ〜?空ってば私の裸に興味ないの〜?」


「そんな事は無いぞ?だけど…な?このままじゃ色々とヤバイだろ…な?」


「ふーん…興味あるんだ〜」


アリスはニヤニヤとしながら自分の体を抱き寄せる。


「いや〜〜ん。犯される〜」


俺の今の理性だとマジでやりかねないため否定は出来ないが、言葉にしないとマジで襲いそうになる。


「しねぇわ!!つか早く服着ろ!」


「ねぇ空〜。ブラのホック外して〜」


「話し聞けよ!!」


やべぇ…このままだとマジでやばい。兎に角アリスの酔いを冷ませば良いんだ。

要するに酔いを覚ますほどの衝撃を与えれば良いって訳だ。


(……酔ってるアリスにこれをやるのは不本意だが…これしかねぇ!!)


俺は覚悟を決めてアリスの肩を掴んだ。


「おぉ?襲うの〜?空なら良いよ〜?」


「…悪いがそれはまた今度だ。今はこれで我慢しろ」


アリスの酔いを覚ますにはキスが1番だ。アリスの唇を奪うと、「っ!?!?」と声が聞こえる。恐らく正気に戻ったんだろうけど、このまま終わるのは…癪だ。俺も散々弄ばれたんだから、俺がアリスを弄んでも構わないだろう。


「っ!?まっ…て…そ…」


長い、長い間ずっと舌を絡ませてキスをし続ける。今までよりずっと長く、アリスの口内で暴れ回る。


「…………ぷはっ」


唇を離すと、顔がユデダコになっているアリス。


「目ぇ覚めたか?」


「……空…もう一回」


「え…いやそれは…」


「もう一回……」


「………分かったよ」


この後俺らがどうなったのかは想像にお任せします。

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