アリスちゃんは尽くしたい
「はい空。あ〜ん」
「あん…」
空はベットの上でおかゆを食べる。西園寺君の事件から明けて1日。空は慣れない事をしたからか風邪を引いてしまった。
顔を赤くして、少し呂律も回ってない空は控えめに言って…
(神ぃいいいいいいいいい!!!!!)
なんなの!?この小動物みたいな可愛さ!あぁもう今すぐ抱きしめたい!!!だけど空の体に負担がかかっちゃうからやらないんだけどね。
「悪いアリス…学校まで休んでもらって」
学校があったけど、空をこのまましておく事なんて出来なかったから学校を休んだ。
嘘である。
空と1時間離れてしまったら禁断症状を起こしてしまうのである。そしてあわよくば空が私に甘えてくれたら良いなぁという不純だらけの行動だ。
「うんうん、気にしないで。何か他にやることある!?マッサージでも肩もみでもなんでもやっちゃうよ!」
「ん…なら…体拭いてくれ…汗でベトベトして気持ち悪い…」
マジですか!?!?!?良いんですか!?普段なら絶対にそんなこと言わないでしょうに!?学校休んでよかったああああ!!!
「分かった!すぐタオル濡らしてくるからね!」
もう凄い。かつてないほどの集中力で部屋を出て行ってタオルに水を濡らして、最短距離で部屋に帰る。
「ふぉあ!?」
空はTシャツを脱いで上半身を裸にする。腹筋は綺麗に6つに割れ、とてつもなく筋肉質な体が目に飛び込んでくる。
(あぁ…神様……こんなに幸せで良いんでしょうか…)
今まで神なんて信じてなかったけど今回ばかりは信じてしまおう。神様ありがとう!
「アリス?」
「はっ!!そ、そうだったね!待ってて、すぐ拭くから!!」
ベットで座っている空の背中に、冷たいタオルを触れさせる。その際「ん…」と性欲を刺激しまくる声が漏れた。ヤバイ…空無意識だよね?すっごい…エロいんだけど。
「気持ちいいですか〜お客さん」
「ん…アリスがやってくれるからな」
「っ!?!?」
空!?本当に空だよね!?いつもなら私が仕掛けて空が反撃するみたいな奴だけど、空からの攻撃は珍しい。だけど責められっぱなしも嫌なので、冷たい手を空の背中につける。
「えい!」
鍛えられた背中の筋肉に直に触れ、今度は両手……。
(あ…やばい…)
突如空と愛し合いたいという感情が芽生えた。ダメだ。それは…大学になってから、責任が取れる年になってからだと…約束したんだ。
「……アリス」
「え…ちょっ!?」
ベットに押し倒されて、空が私の上に馬乗りになる。
「アリス…今すげぇキスしたい」
「……いいよ。来て」
私はもっとその先をしたい。その一歩手前で止めるなんて、酷すぎる行為だ。だけど…惚れた弱みという奴だろうか、断ることは出来ない。
「んっ…」
私と空は、唇を交わした。
………
……
…
「えぇっと?空とアリスさんはまた休みか。アレ?アリスさんも風邪か。昨日は空の看病だったのに…」
「けっ!どうせ家でキスしすぎてアリスちゃんに風邪移したんだろ?」
翌日学校でその会話が行われたのは、また別の話。
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