学校案内+イチャイチャ
アリスは知り合いという事もあって俺の隣の席になった。そして1時間目の休み時間、とんでもないことが起こっている。
「えへへ〜、空〜」
「なんだよ…」
アリスは俺の名前を呼びながら、腕に抱き付いてくる。正直言って……かなりやばい。すげぇ良い匂いするし、胸が当たってるし、男としてこれに無反応でいろってのは無理ってもんだ。
「呼んでみただけ〜。あ!そうだ空!学校の中案内してよ!」
「まぁそれはいいんだけどさ…」
「やったーー!!ありがとおおお!!」
そう言って今度は腕ではなく俺全体に抱きついた。腕にある胸の感触に、思わず理性が吹っ飛びそうになるのを、必死に、必死にこらえて奥歯を噛み締める。
だがそれと同時に、やばいのは俺の精神だけじゃなく、命も危なくなっていた。
「おい…誰かあの羨ましいクソ野郎を処分する手は持ってねぇか?」
「爺ちゃんが狩猟用のライフルと刀なら持ってるが…どうする?」
「いやお前の爺ちゃん何者だよ…」
こんな話を周りでされてるんだ。ヤバくね?殺害予告とかされそうで普通に怖いんだけど?
………
……
…
そして放課後に突入し、俺は様々なところをアリスに紹介して回って居た。その際もアリスはずっと俺に引っ付いている。正直悪い気は全くしないのだが…怖い。
「あのさ…お前……俺の事からかってるのか?」
もう帰ろうとした時、教室に向かう時の廊下で立ち止まりそれを聞いてしまった。
「ふぇ?」
可愛らしく首を傾げるが、正直そうとしか思えない。だって、本気で俺個人の事を好きになってくれた人なんて、居なかったから。
「お前があの幼稚園の頃のアリスなのは認める。だけど、そんな10年ぶりに再開した奴を好きになるなんて、おかしいだろ」
「幼稚園の頃…か。懐かしいよね。虐められてた私を空が助けてくれて、それから一緒に遊ぶようになった。私の最初の宝物」
その顔は本当に幸せそうで、嘘をついているようには全く見えなかった。
「私はアメリカに行っても、ずっと、ずっとずっと、空の事を考えるようになってた。それでさ…それが……好き…っていう感情だってことに気付いたんだ…」
「っ…」
幼稚園から高校まで、10年間ずっと俺の事を好きで居た。そんなの信じられる訳が無かった。なのに、何故だろう。嘘を付いている訳がないと思えたのは。
「でも…ごめんね…それが迷惑なら…やめるよ」
消え入りそうな声でそう言うアリスに、俺の心臓は締め付けられるかのような感覚に陥った。
「違う…!そうじゃねぇよ…ただ信じられなかっただけだ。アリスミテェな可愛い奴がさ…俺の事を好きなんて…」
「可愛い…?空からしたら……私って可愛い?」
「そりゃ…まぁな。つか世間一般的に見てもアリスは可愛ぐふっ!!」
腹に衝撃が加わり、俺は後ろに倒れた。
「世間一般とかはどうでも良いよ!!空は可愛いと思ってくれてるんだね!?」
「そ、そりゃあ…」
「えへへ、えへへへぇ!嬉しいなぁ〜!嬉しいな〜」
その後、アリスが俺に抱きついて十分くらい離れなかった間、俺が必死に理性を押し殺して居たのは、言うまでもない。
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