第15話48-50

奇術師が暗幕を脱いで

祝福の風船は天で割れた

瞑られた儘じゃ生まれない

紙吹雪は夢を魅せ続ける

信じてみて 光のハレーション

素の扉を拓け

【真実】



外套の明かりは末代までとこしえ

闇雲に沈む水盆の火神は煽る

針の筵 解き巻き取り朱糸にする

街灯の敗れ目は丁寧に頂戴された

かみのみなしろ 放浪者は尽き果照る

【月兔】




無神論者の燐光は星影に酔ってお隠れに

あらゆる創造が教卓の隅に追いやられる


或る雨の日

少年と少女が小鳥と詠う


自由を徘徊する白き伝書鳩は鎖落ちる

時に生き残れるのだろうかと。


囁いた言葉と、

楽園に向かうだけの。

【膚受(ふじゅ)】

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