第6話16-19

製氷皿には大層御立派な

水族館で生きたペンギン

組み合わせ自由の大博覧会

誂えた冷蔵庫と溺れ死ぬ

ありもない奏多の空で

出逢う【星々】



綿帽子の桜

大輪の流星雨

いろは坂で立ち往生

はらりとめくれ

ゆきさき不明


いきをとどめた。

【さちゆき】



蕩け 惚気る 海で

浸された 涙 ひとひら

対岸に往けず 右往左往

遺された波立ちを凪ぐ、と

ドライフラワーが咲き誇る。

ひとかきひとけりで眠る

【未の柩.羊の日次】



雲海に住まうは虚侘しい銀龍

天邪鬼とも仲良うしていた

蒼空は烈火の荼毘に伏す

烙印のうち 澄舞うは神楽殿

あすもまたあえるだろうか

【斜陽】


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