第7話 20-22 #詩コン 風「ふうか」


海は恐ろしく辛く

いたく易しい程

青空は寛容だった

両手にうける波風は

傷に滲みて視界を濁し

今を刺殺した

馬鹿馬鹿しいほどの

快晴の日に

【番 傘】



荒波は簡単に薙いでいく


一鴎が旋回する空には

一閃の光が始まりを描いて。

一筋の涙をほおと落とす


楽になりたくてここに来た

道を示すかのように。

拭いて暮れる日に

【濡羽色】



少々の風が泪を翔ばし

波の花とも白く

赤茶ける時はとわずとも

厭に臭くて鼻につく


乾いても渇いても

とれやしない

これが渡し路

幻海の膿の厳しさ


啼き喚く

阿呆鳥のはじまりに

共に往く【炎尾】







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